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「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」を読んだ

まとまった休みには、古典というか定番の本を読んでみたくなりますよね。


今年の冬休みは、一年に何度かプレゼンをする機会があり、前々からプレゼン力を高めたいなぁと思っていたこともあって、この本を手に取ってみました。


何度か重複するような(回りくどい?)説明もあったりしましたが、実際に明日から使えそうなプレゼンテクニックなどもあって充実した内容でした。


ひとつ注意点としては、私の場合は半年ほど前に、

を読んでいたので良かったのですが、スティーブ・ジョブスとはどんな人でどんなことをしてきた人であったかというバックグラウンドを全く知らずに読むと面白さも半減どころか、全然ピンと来ないところが多々あるでしょう。





ディレクターズ・ノートまとめ

さて、この本のサブタイトルが「人々を惹きつける18の法則」ということで、18のシーン(トピック)に分けてスティーブ・ジョブスのプレゼンの極意が紹介されているのですが、それぞれについてまとめ(抜粋)をしてみました。

第一幕 ストーリーを作る

シーン 1: 構想はアナログでまとめる

プレゼンテーションを作る際、最初の段階でパワーポイントのことは一旦忘れ、まずは紙と鉛筆で筋書きを作ることからはじめる。

シーン 2: 一番大事な問いに答える

聴衆は「なぜ気にかける必要があるのか」を絶えず自問している。聞き手に覚えておいてほしいポイントをひとつだけピックアップして、それを何度もプレゼンの中ではもちろん、他のマーケティング媒体の中でも繰り返し使うこと。

シーン 3: 救世主的な目的意識を持つ

「顧客のよりよい暮らし」のために製品を売っている、という情熱を持つ。
自分だけの「パッションステートメント」を作る。

シーン 4: ツイッターのようなヘッドラインを作る

製品やサービスのビジョンを一文で表す、簡潔で70文字以下のヘッドラインを作る。具体的で、受けて自身のメリットを示し、「よりよい未来」を提案すること。
「アップルが電話を再発明する」
「1000曲をポケットに」
「速度は2倍、価格は半分」

シーン 5: ロードマップを描く

3点ルールを使う。
主要メッセージを 3つまで絞り込む。

シーン 6: 敵役を導入する

プレゼンの早い段階で敵役(顧客が痛みを感じるポイント=問題)を導入する。敵役(問題)を提起する。

シーン 7: 正義の味方を登場させる

製品やサービスがどのような形で痛みを和らげてくれるのか、分かりやすい言葉で説明する。

第二幕 体験を提供する

シーン 8: 禅の心で伝える

プレゼンのスライドでは箇条書きは避けること。
一枚のスライドではひとつのテーマに絞り、それを写真や画像で補強して、見た目が美しいスライドにすること。

シーン 9: 数字をドレスアップする

中核となるテーマに、それを支持するデータを用意すること。
データを聞き手の暮らしに密着した文脈に置くこと。

シーン 10: 「びっくりするほどキレがいい」言葉を使う

コピーの文句をすっきりさせる。直して、直して、さらに直す。
繰り返しをなくし、バズワードをなくし、ジャーゴン(専門用語)をなくす。

シーン 11: ステージを共有する

顧客からもらった推薦の言葉をプレゼンに組み込む。

シーン 12: 小道具を上手に使う

魅力的かつ実質的なデモを、設計の段階から組み込む。デモは短くすること。
デモは全力で行うこと。

シーン 13: 「うっそー!」な瞬間を演出する

感動の瞬間に向けた筋書きを作る。十分に盛り上げてから爆弾を落とすこと。
爆弾投下はよく練習しておくこと。

第二幕 仕上げと練習を行う

シーン 14: 存在感の出し方を身につける

アイコンタクトを保つ、開いた姿勢をとる、必要に応じて身ぶり手ぶりも活用する。
抑揚をつける、声を大きくしたり小さくしたりする。
自分がしゃべっているところを録画して見る。

シーン 15: 簡単そうに見せる

一に練習、二に練習、三、四がなくて五に練習。
厳しい質問への対応はバケツ方式(カテゴリーに分類)で対応する。

シーン 16: 目的にあった服装をする

今の立場ではなく、こうなりたいと願うリーダーと同じような服装を選ぶ。
優れたリーダーは、他の人よりも少しだけよい服を着る。
場の文化に即した服を着る。

シーン 17: 台本を捨てる

台本を捨てる 5ステップを実行する。
1) パワーポイントのノートにしゃべる内容を文章で書いておき、2) キーワードをハイライトし、3) キーワードだけを残し、4) スライドごとにひとつのキーアイデアを頭に叩き込み、5) 最後にメモも捨てて、練習を繰り返す。

シーン 18: 楽しむ

プレゼンを「インフォテインメント」だと考える。
聞き手は学びと娯楽、両方を求めている。



 

YouTube動画まとめ

書籍中に何度も出てきたスティーブ・ジョブスの傑作プレゼンのリスト。

Macworld 2007(iPhone を発表)


Macworld 2008(世界最薄の MacBook Air を発表)


WWDC 2008(iPhone 3G を発表)


Special Event 2008 "Let's Rock"(iTunes の新機能と iPod 新モデルを発表)


 

(参考)

Macworld 2007 のプレゼンの分析記事もありました。




スティーブ・ジョブスの驚異のプレゼンをまとめて手っ取り早く見てみたいのであれば、その名の通り、「Steve Jobs 驚異のプレゼン」というまとめ動画があります。

第10位: iPad2
第9位: Unibody
第8位: Mac OS X Snow Leopard
第7位: iPhone3G
第6位: iPhone4
第5位: iPad
第4位: iPod nano
第3位: iMac
第2位: MacBook Air
第1位: iPhone

というランキング形式になっているようです。




スティーブ・ジョブスのプレゼンの歴史を、時系列に沿ってまとめてみようと思ったのですが、
スティーブ・ジョブズのプレゼン動画まとめ(アップル時代) | Steve Jobs museum

のサイトのまとめを見つけてしまい、何もすることがなくなってしまいました。

か、完璧すぎる。



 

おまけ

シーン 14 にて、

研究によって数字に揺れはあるが、聴衆が受け取る印象の 63% から 90% がボディーランゲージやしゃべり方によると言われている。スティーブ・ジョブスは、力強い言葉に合ったしゃべり方をしている。

という一節があったので、それに関連して、

も合わせて読んでみたのですが、こちらは正直がっかりな内容。。
読んでいる途中(けっこう序盤)から、タイトルと中身が全然違うなぁと思っていたのですが、Amazon のレビューを見て納得。

本はタイトルが 9割

なんだなぁ、と。