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ビットコイン・仮想通貨・ブロックチェーンの本を合計10冊読んだのでオススメ本を紹介

この投稿は 「暗号通貨 Advent Calendar 2017 - Qiita」 の 18日目の記事です。

こんにちは、akiyoko です。

 

はじめに

ビットコインが 100万円を突破した 11月後半あたりから「ビットコイン」「仮想通貨」「ブロックチェーン」などのキーワードがものすごい勢いで急激にトレンドを上げています。


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(2017/12/18時点。今現在のトレンドはまとめの下に掲載)


それに合わせて関連本の出版も急増していて、Amazon でも「ビットコイン」「仮想通貨」「ブロックチェーン」等で検索すると、合わせて 400冊以上も本が見つかる状況となっていて、こちらもちょっとしたお祭り状態になっています。

ビットコインをはじめとする仮想通貨やブロックチェーンの情報ならインターネットにいろいろと転がっているとは思いますが、ある程度整理された知識をまとめて押さえるのには本が一番と考えている人も多く、私も(もちろんインターネットの情報もチェックしますが)体系的な知識を入れるために本から入ることも少なくありません。


今年は仮想通貨やブロックチェーン関連の本を合計10冊ほど読んだのですが、今回はその中から(特に技術者目線で)有用だと感じた度合いを「オススメ度」という形で示しながら紹介していきたいと思います。また、技術者ではない人にも読めるかどうか判断できるように「難易度」の目安(★ が多いほど難しい)も付けてみました。ぜひ参考にしてください。



先に結論を書くと、技術者であれば、①〜③のいずれか一冊かインターネットの情報でざっと概要を頭に入れた後、「⑥ いちばんやさしいブロックチェーンの教本」で周辺の情報も含めて技術的なところを押さえておけばまずは大丈夫です。

技術者でなければ、「③ いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン」が分かりやすくてイチ推しです。

プラスアルファとして何か読むのであれば、読み物としての「④ デジタル・ゴールド」が非常に面白いです。将来の金融業界にブロックチェーンがどんな衝撃を与えるか興味がある方は「⑧ アフター・ビットコイン」は必読です。


さあ、行ってみましょう!


 

ビットコイン関連

ビットコインに特化した本。まずはここから入る人も多いと思います。私もそうでした。

① ビットコイン解説本

オススメ度:★☆☆☆☆
難易度:★☆☆☆☆


「ビットコインって何?」という状態から最初に読んだ本。

ビットコインは「お金」なのか?という疑問に、ポイントサービス(Tポイント・楽天ポイント 等)や電子マネー(楽天Edy・Suica 等)、クレジットカードとの比較をしながらその特徴を説明していきます。お金の歴史やビットコイン誕生の歴史についても少し触れられており、ビットコインの概要を知るための本と言えます。気軽に読めるページ量(75ページ程度)なので、てっとり早く概要を知りたいという人や最初に読む本としてはいい と思います。逆に、技術的に詳しく知りたいという人には全然物足りないでしょう。

2014年発刊ということで少し古臭さは否めませんが、概要を知るというだけなら特に問題ないと思います。


 

② ビットコインはどのようにして動いているのか? ビザンチン将軍問題、ハッシュ関数、ブロックチェーン、PoWプロトコル

オススメ度:★☆☆☆☆
難易度:★★☆☆☆

11月の SegWit2x ハードフォーク回避 を見事予言的中したフルタイムビットコイナー、大石 哲之さんの本。

私の予想では、マイナーが経済的に合理的あれば、決してSegwit2xのフォークを行わないと考えている。マイナーは、価値の低い2xコインを採掘せず、1xコインを採掘し続けるだろう。その結果、11/16日には、実際は何もおこらないだろう。


Segwit2xのフォークについて | ビットコイン研究所」より


ビットコインの核心(そして革新)部分である「ビザンチン将軍問題」にフォーカスを当てた仕組み解説本 ですが、何か事情があって急いで出したのでしょうか、内容に物足りなさを感じます(実際 66ページと薄い)。技術的な内容は少しだけしか触れられていません。というか、ほぼビザンチン将軍問題の説明だけに終始しています。しかしながら、説明や比喩が多少回りくどく感じられ、余計にモヤモヤするかもしれません(あくまで私の感想ですが)。

全般的に図が一切無いからでしょうか、内容がスッキリと頭に入ってこない印象です。出版された2014年当時としては数少ない日本語の情報だったかもしれませんが、今となってはインターネットに転がっているレベルと言えば言い過ぎでしょうか。


 

③ いまさら聞けない ビットコインとブロックチェーン

オススメ度:★★★★☆
難易度:★★☆☆☆


国内大手の仮想通貨取引所 coincheck の COO 大塚 雄介 氏の著書。 *1

現金やクレジットカードとの違いやビットコインのメリットなどの初歩の初歩から始まり、ビットコインの簡単な仕組みやセキュリティに至るまで、なるべく誰でも理解できるように技術的な説明が必要な部分をうまく掻い潜りながら工夫して説明されているのがよく分かります。仮想通貨ビギナーでも何の問題もなく読み進められると思います。その割に、SegWit(セグウィット)やクラウドマイニングなどについても説明があり、周辺知識もしっかり押さえられています。

また、国内最多のアルトコインを販売している coincheck に所属しているということもあってか、ビットコインだけでなく、Ethereum(イーサリアム)や Augur(オーガー) などのいくつかのアルトコインについての説明もされています。ということで、技術的なことは苦手だけどビットコイン周辺のいろいろな情報を押さえたいという人にはピッタリ の内容でしょう。


文春オンラインの記事「ビットコインの仕組みを文系の人にわかりやすく伝えるには? | 文春オンライン」で

「類書は多いですが、文系の人でも簡単に、大づかみにこの分野を理解できるのはこの本だけと思います」(担当編集者の千葉正幸さん)

と書かれている通り、技術的な話は一切出てこないので、「文系なのでちょっと・・」という方にもバッチリ理解できるような本になっていると思います。



ビットコイン取引高日本一の仮想通貨取引所 coincheck bitcoin
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④ デジタル・ゴールド ── ビットコイン、その知られざる物語

オススメ度:★★★★★
難易度:★★☆☆☆


2009年のビットコイン誕生から2014年までの黎明期の歴史を、ビットコインに熱狂した人たちの物語を中心に、実際にあった出来事をベースに仔細に描いた人間ドラマ。 仮想通貨の「王様」とまで呼ばれるまでになった今とは全く違う、ビットコインの若かりし頃の裏の顔を垣間見ることができます。これが事実だとすると(著者はニューヨーク・タイムズ紙の記者で緻密な取材をおこなったとのことなので事実無根なことは書いていないと思いますが)、ビットコインが現在このように多くの人を魅了するほどに大きくなっているのはまさに奇跡だと感じてしまいます(それこそがビットコインの持つ「力」が本物だと証明していると考えることもできますね)。いずれにせよ読み物として最高の面白さです。

サトシ・ナカモトの人物像(私の想像と全く違いました)、違法サイト「シルクロード」で人気を維持していたダークサイドな時期、2014年2月の「Mt.GOX」事件の詳細など、私のような新参者が知らない歴史がこの一冊に詰まっています。「Mt.GOX」がアレの頭文字だったとか知ったときはショックで唖然としました(笑)。

技術的な要素は「補足」として巻末に書かれていますが、何も知らなくても全く問題なく読み進められます。しかしながら技術的な内容が少しでも分かっていれば、この物語をより一層楽しめるでしょう。

若干気になったのは、最後のあっけない終わり方。紆余曲折ありながらも物語はまだまだ続いているのになと思ったのですが、数年後に続編が出るのを期待しましょう。


 

⑤ ビットコインとブロックチェーン : 暗号通貨を支える技術

オススメ度:★★★★★
難易度:★★★★★


原題は「Mastering Bitcoin」。世界的にも有名な一冊で、もはやビットコイン技術者のバイブルとも言われている本です。あるいは、卒業証書と言っていいかもしれません。これが読めたら、ビットコインの仕組みはひと通りは理解できているという証になるでしょう。完全に技術者向け。 読む前にある程度の知識は入れておいたほうが良いと思います。何の知識もなくこの本を最初に読むと、十中八九挫折します。他の本で曖昧に説明されていたことが事細かに書かれていて、(細かい部分までは理解できなくても)「なるほどこういう仕組みで作られているのか」とスッキリできるようになります。

後半に、初期の頃のアルトコインの情報もあり、こちらもなかなか有益な内容になっています。


 

ブロックチェーン関連

こちらは、取り扱うテーマをビットコインだけに絞らず、幅広くブロックチェーンまでを解説した本です。

⑥ いちばんやさしいブロックチェーンの教本 ― 人気講師が教えるビットコインを支える仕組み

オススメ度:★★★★★
難易度:★★★☆☆


タイトルに「いちばんやさしい」とありますが、詳しめな技術要素の説明もあって、対象読者は明らかに「技術者」です。ビットコインやブロックチェーンの概要をある程度知っていて、もう少し深掘りして勉強したい技術者にはピッタリです。 全体的によくまとまっていて、個人的には一番のオススメ本です。

技術的な部分をなるべく詳しく説明しながら、且つ分かりやすく説明されています。他の本では解説していない細かな部分もちゃんと説明をしているなという印象で、これ一冊でほとんどの基礎的な要素をしっかりと網羅することができると思います。ブロックチェーン以外にも、ウォレットやスマートコントラクト、などの周辺情報も幅広く説明しており、まさにこれ一冊で OK というイメージです。

先に述べた通り難易度が少し高いのですが(そういうものなんだと読み流すことはできますが)、ITパスポートレベルの基礎知識があれば何とか理解はできるのではないかと思います。


 

⑦ ブロックチェーン・レボリューション ―― ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

オススメ度:★★★☆☆
難易度:★☆☆☆☆


ブロックチェーンという技術がビジネス、経済、世界をどのように変えるのかといった「ブロックチェーン革命」について書かれた本です。従来の「情報のインターネット」に対して、ブロックチェーンは「価値とお金のインターネット」と言われる所以について、ブロックチェーン革命の要となる7つのポイントについて、「信頼」「非中央集権」「インセンティブの設計」「不正ができない」「個人情報のブラックボックス化」「スマートコントラクト」「格差を解消するデザイン」という点が挙げられると言います。ハッとしたのは、「これからは、いいことをすると得をして、悪いことをすると損になるようなインターネットが実現する」という点。私がブロックチェーンを画期的だと思うのは、利用者が利己的な行動をしてもそれがシステム全体としての利益に繋がるという設計の妙なのですが、そのあたりの話が技術的な説明一切無しに書かれているのは面白いところです。インターネットは世の中を良くしたと言われますが、格差を広げただけという指摘もあります。そんな中、インターネットがスポットライトを当てなかった人たちにもブロックチェーンが光を照らす。そんな新しい未来がブロックチェーンによって来るかもしれない。夢と希望と可能性を感じられる、面白い本ではないでしょうか。

ただし、少し分厚いのが唯一の難点でしょうか。


中村 伊知哉氏のブログでも書評がありますね。
ブロックチェーンは革命なのか? ~ Ichiya Nakamura / 中村伊知哉


 

⑧ アフター・ビットコイン : 仮想通貨とブロックチェーンの次なる覇者

オススメ度:★★★★☆
難易度:★★☆☆☆


ビットコイン(いわゆる「ブロックチェーン 1.0」)はバブル、オワコン。これからは、金融の世界を根本的に変革するポテンシャルを秘めている「ブロックチェーン 2.0」(決済・送金、証券決済など)、「ブロックチェーン 3.0」(登記、資産管理、投票など)に利用されるであろう「分散型台帳技術」の時代だよ、という内容の本です。
話の流れ上、どうしてもビットコインはバブルにしてしまいたい駆け足気味の前半部分には少し違和感を覚えましたが、後半の金融分野への深い造詣はさすが日本銀行で「電子現金プロジェクト」に携わり、決済機構局でデジタル通貨を研究、国際決済銀行(BIS)でグローバルな活躍をしてきた経歴を持つ著者の得意分野、まさに独壇場という感じの内容でした。

パブリックなチェーンであるビットコインと比較して、金融界で導入されるであろうプライベートチェーンの利点、ネックとなる承認速度やファイナリティの問題、個人的に一番の謎だった「プライベートチェーンをマイニングするインセンティブって?」という(ビットコインの仕組みをベースに考えると理解しにくい)モヤモヤや疑問が解消します。また、Linux Foundation が推進する「HyperLedger Fabric(ハイパーレッジャー・ファブリック)」、R3 コンソーシアムの「Corda(コルダ)」、Ripple の「ILP(インターレッジャー・プロトコル)」などのプライベートチェーンについての解説や、中央銀行が狙う当座預金のデジタル化(決済コイン型デジタル通貨)、証券決済などの話題が盛り沢山で、ビットコインブームを脇においてこれだけしっかりとブロックチェーンの金融分野への展開を論じている本は少ないのではないかと思います。

⑦がぼやっとしたブロックチェーンがもたらす夢の未来を書いているとすれば、こちらは具体的な近未来像を描いています。プライベートチェーンについての多彩な情報は他の本には無いオンリーワンな内容かと思います。金融業界に今後何が起こるかを知りたい人、ビットコインじゃないブロックチェーンの可能性について詳しく知りたいという人にはピッタリ な内容です。


著者の中島氏はこんな人です。
「ビットコイン」の終わりから「ブロックチェーン」の時代へ:中島真志 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

ビットコイン界隈で有名な DEG さんの書評も見つけました。
【迫るラストデイ】アフター・ビットコインを読みました - 仮想通貨のあるとこ


 

Ethereum ・スマートコントラクト関連


Ethereum の本は何冊か出ていますが、まずは一冊だけ読んでみました。

⑨ スマートコントラクト本格入門 ― FinTechとブロックチェーンが作り出す近未来がわかる

オススメ度:★★★★☆
難易度:★★★★☆


数少ないスマートコントラクトの実践入門書。

序盤は FinTech やブロックチェーンの超概要、中盤はスマートコントラクトについて書かれています。中でも、ブロックチェーンやスマートコントラクトに関わる法律・規制の話は他の本にはなかなか無いので貴重です。後半はガラッと変わって開発者向けの話になり、SolidityTruffleGeth を使った Ethererum ベースのスマートコントラクト開発の具体的な手順について述べられており、実際に手を動かしてみようといった感じになっています。ということで、Ethererum を使ったスマートコントラクトの開発をしてみたい人には入門書として非常に有益 な内容になっていると思います。


Ethereumはどのように動いているのか - The Coffee Times」と合わせて読むとよいかと思います。なお、ERC20トークン については書かれていませんので悪しからず。


 

アルトコイン関連

意外にと言うか、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)についての本はあまり見当たりません。成長のスピードが早過ぎて情報がすぐに陳腐化してしまうからでしょうか。今のところ次の一冊くらいしかないのですが、読んでみました。

 

⑩ 一冊でまるわかり 暗号通貨 2016〜2017

オススメ度:★★☆☆☆
難易度:★☆☆☆☆


タイトルから適当に書いたかと思いきや(笑)、意外としっかり調べている印象です。しかしながら、取り上げているアルトコインの種類が少なくて中途半端な印象も。実際、役に立ったかと言えば微妙でコスパは多少悪いかなと感じました。続編(あるのかな?)に期待です。

ある程度まとまったコインの情報が日本語で書かれたものが他に無いため、今改めて見返すと有用な部分も多いです。Twitter やブログでの特定のアルトコイン推しのポジトークに辟易していて、第三者視点からの情報が欲しいという人にはマッチする かもしれません。

ちなみにこの本に取り上げられているアルトコインは以下の24種類です。

 

まとめ

今年、「ビットコイン」「仮想通貨」「ブロックチェーン」関連の本を合計10冊読んだので、「難易度」と「オススメ度」を付けてそれらを一冊ずつ紹介してみました。

ただし、★ の数はあくまで個人の感想ですのでご注意ください。書籍をご購入の際は、ご自身の目的に合ったものを用法用量を守って正しくお選びください。




明日は、ohac さんの「暗号通貨 Advent Calendar 2017 - Qiita」 19日目の記事です。よろしくお願いします。



 

おまけ

本はもう何冊か読んでいたのですが、10冊の枠から外れたものをおまけで紹介。

⑪ 1時間でわかるビットコイン投資入門

オススメ度:★☆☆☆☆
難易度:★☆☆☆☆


薄くて(144ページ程度)対話形式でテンポよく読めるなので、数時間で読み切ることができます。内容はだいぶ薄め。

ポートフォリオ、指値注文と成行注文、時間分散(ドルコスト平均法)、アービトラージ、証拠金取引など、仮想通貨「投資」についてのまさに基本が書かれている本。知っておいて損はないとは思いますが、まあ皆さん大体知ってますよね、といった内容。

この本は 5月に出版(寄稿は4月)された比較的新しめの本なのですが、

私は2018年末までに1BTC=30万円近辺もあり得るとみているため

などと書かれているあたり(実際には 2017年5月25日に 30万円達成 *25)、ビットコイン・仮想通貨の流れは早いな(早過ぎて怖いな)と感じてしまいます。


 

参考

現在の「ビットコイン」「仮想通貨」「暗号通貨」「ブロックチェーン」のトレンドです。