akiyoko blog

akiyoko の IT技術系ブログです

2017年に読んだ本のリスト

akiyoko です。

2017年の読書歴を振り返ってみたのですが、技術系の本や雑誌を除いて38冊読んでいました。つまり、約10日に1冊以上読んだことになります。昨年は「多読」を心掛けていたのですが、私自身としては十分過ぎる結果だったと感じています(ちなみに一昨年は11冊)。


《過去記事》
akiyoko.hatenablog.jp


なお私の読書スタイルは、気になった本はポチポチと買っておいて、ヒマが出来たときにそのときの気分に合わせて読むというのが基本です。それ以外にも、学習したいテーマに沿って次々と連鎖的に読んでいくパターンや本の中で紹介されていたものを読んでいくパターンもあります。


今回は、昨年読んだ38冊のうち19冊を紹介します。


上記以外にも、ビットコイン・仮想通貨・ブロックチェーンの勉強のために読んだ本が11冊、投資やチャートの勉強のために読んだ本が8冊ありますが、後者はまた別途紹介するかもしれません。


《過去記事》
akiyoko.hatenablog.jp


来年も自分のペースを守りながら、できるだけ多くの本を読んでいきたいと考えています。


 

マネジメント系

一昨年の年末から年頭にかけて、自身のマネジメント力の欠如が顕になってきたとひしひしと実感したので、新たに知識を投入した上で実践していきたいと考えていました。

 

1.新1分間マネジャー

オススメ度:★★★☆☆


「新1分間マネジャー」はケン・ブランチャードとスペンサー・ジョンソンの共著で古典的なベストセラー「1分間マネジャー」の新版ですが、現代風にアレンジが施されているそうです。なおスペンサー・ジョンソンは「チーズはどこへ消えた?」の著者としても有名です。


「1分間」シリーズを全部読んだという shiba_yu36 さんのブログ記事を読んで、まずはこの本を読んでみようと思い立ちました。

「1分間顧客サービス」を読んだ - $shibayu36->blog;


本自体は薄く、ストーリー形式で描かれているので、すぐに読み終えられます。

この本の核となる 1分間マネジメントの「3つの秘訣」は、「新1分間マネジャーのゲームプラン」という図で完結にまとめられています。

  • 「1分間目標」
    • (共同で)明確な目標を立てる
    • 正しい行動とはどのようなものか見せる
    • 目標を1ページに1項目ずつ書き出す
    • 素早く頻繁に目標を読み返す
    • 自分の行動を振り返り、目標と一致しているかを確認するよう奨励する
    • 一致しない場合、行動を切り替えて成功を達成できるよう促す
  • (目標または一部の目標を達成したら)「1分間賞賛」
    • 行動をほめる
    • すぐほめる。具体的にほめる
    • どれほどうれしく感じているかを伝える
    • 少し間を置いて、部下にも満足感を味わわせる
    • さらによい仕事を続けるように励ます
  • (目標を達成できなければ)「1分間修正」
    • 協力して目標を明確化する
    • 事実関係を確認する
    • ミスをすぐに検証する
    • どれほど懸念しているかを伝える
    • 少し間を置いて、部下にも不安を味わわせる
    • ミスは取り返せること、人間として評価していることを伝える
    • いつまでも引きずらない


少し前にバズった記事「GEとAdobe、人事評価制度やめたってよ。目的のためには手段はどんどん変えていく」では、今までの人事評価ではフィードバックまでのサイクルが長すぎるという問題に対して、年次評価制度を撤廃して「頻繁にフィードバックを与える」という新しい仕組みを導入したと書かれていますが、新1分マネジャーで説明されている3つの秘訣「1分間目標」「1分間賞賛」「1分間修正」も目的は同じなのではないかと感じます。短く端的なフィードバックを頻繁に与えていくことで、社員や組織を変化の激しい現代に対応できるように変えていく、そんな新しいタイプのマネジャーが望まれているということなのでしょう。


 

2.1分間マネジャーの時間管理

オススメ度:★★★★☆


ケン・ブランチャードの「1分間」シリーズは数多く出版されていますが、著者自らが管理職の参考書として薦める五作として、

を挙げています。本作「1分間マネジャーの時間管理」は、サルの世話に追われて本職のマネジメントに掛ける時間が無いと悩む中間管理職に向けて贈られた「救いの書」となっています。なお、1分間シリーズには〈1分間マネジャー〉がメンターとしてストーリー中に登場するようなので、「新1分間マネジャー」は真っ先に読んでおいた方がよさそうです。


さて、本書の核として登場する「サル」は部下の肩から飛び乗ってくる「プロジェクトやトラブルに伴う『次の対応』」を指していますが、単に「次の対応」と書かずに「サル」に見立てて書くことで、インパクト絶大で忘れられない「アイコン」になっています。

ついつい部下の肩から飛び乗ったサルの世話をしてしまうと、余計な世話を焼くダメマネジャーになってしまうというのがストーリー仕立てで語られています。そしてサルを管理するには、何を、誰が、いつまでに、どのように実行するのかを確定することが重要と説きます。また、「何のためにこれをやっているのか」を自問し、はっきりした答えが出ない場合は、サルを抹殺した方が良いとも指南しています。


いつもながらストーリー仕立てになっているのがややダラダラした感じもしますが、本自体が薄くてすぐに読み終えられるので、半日ほど空き時間があるときに一気に読んでしまうのがよいかと思います。




 

3.人を動かす

オススメ度:★★★★★


人を動かすって本当に難しいですよね。「動かす」というより「動いてもらう」にはどうすればよいか? と悩むことが多いです。そんなときの薬になる、古典中の古典。これまで読んだことが無かったので、一念発起。なお、後で紹介する「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」の著者ジョン・ソンメズも最も推薦する必読書として挙げています(ただし、自助・自己啓発の本として)。

内容が分かりやすくて腹落ちすることも多く、各章のラストに簡潔なまとめが書かれているのも有難いです。ということで各章のまとめを列挙してみました(多少アレンジしていますが)。

  • 人を動かす3原則
    • 批判も避難もしない。苦情も言わない
    • 素直で、誠実な評価を与える
    • 強い欲求を起こさせる


上記の「人を動かす原則だけ」でなく、「人に好かれる原則」「人を説得する原則」「人を変える原則」についても書かれていますが、いずれにしても、まずは相手を立て、誠意を持って相手の身になり、相手に重要感を与えるようにすることが大事であると説いています。つまり、尊厳欲求・承認欲求などの高次の欲求に訴えかけることが重要であるということでしょう。

  • 人に好かれる6原則
    • 誠実な関心を寄せる
    • 笑顔で接する
    • 名前を覚える
    • 聞き手に回る
    • 相手の関心を見抜いて話題にする
    • 心からほめる(重要感を与える、誠意を込めて)
  • 人を説得する12原則
    • 議論を避ける
    • 相手の意見に経緯を払い、誤りを指摘しない
    • 自分の誤りを直ちに快く認める
    • 穏やかに話す
    • 相手が即座に「イエス」と答える問題を選ぶ
    • 相手にしゃべらせる
    • 相手に思いつかせる
    • 人の身になる
    • 相手の考えや希望に対して同上を寄せる
    • 人の美しい心情に呼びかける
    • 演出を考える
    • 対抗意識を刺激する
  • 人を変える9原則
    • まずほめる
    • 遠回しに注意を与える
    • まず自分の誤りを話したあと相手に注意する
    • 命令をせず、意見を求める
    • 顔を立てる
    • わずかなことでも惜しみなく心からほめる
    • 期待をかける
    • 激励して、能力に自信を持たせる
    • 喜んで協力させる


これらは部下や組織のマネジメントとは別枠ではありますが、「心掛け」として普段から実践しやすいのは嬉しいところです。



 

4.韓非子 ― 強者の人間学

オススメ度:★★★★☆


教養系(?)なのかもしれませんが、以前から読んでみたいと思っていた韓非子です。韓非子の解説本は何冊かありますが、以前受講していた「gacco」の「中国古典に見る指導者の条件」の講義をしていた SBI大学院大学の守谷 洋教授の本をチョイスしました。


韓非子は中国戦国時代末期の法家である韓非の書で、乱世を生き抜くために君主の権力を法によって強固にすることで国を統治しようと訴える組織管理論であるとも言えます。

韓非の統治理論は、「法」(法律)、「術」(部下をコントロールするためにリーダーが身に着けるべき操縦術)、「勢」(権限)の三つを中核としています。「術」については、

  • 1.臣下の言い分を互いに照合して事実を確かめること
  • 2.法を犯した者は必ず罰して威信を確立すること
  • 3.功績を立てた者には必ず賞を与えて、やる気を起こさせること
  • 4.臣下のことばに注意し、発言に責任をもたせること
  • 5.わざと疑わしい命令を出し、思いもよらぬことをたずねてみること
  • 6.知っているのに知らないふりをしてたずねてみること
  • 7.白を黒と言い、無いことをあったことにして相手を試してみること

の7つを挙げており、トップは権力の要(賞罰の権限)を押さえ、黙って睨みを利かすのが最良だと説いています。

『韓非子』全篇を貫いているのは、徹底した人間不信の哲学である。人間を動かしている動機は、何か。愛情でもない、思いやりでもない、義理でも人情でもない、ただひとつ利益である。人間は利益によって動く動物である、というのが『韓非子』の認識であった。

といったようなフレーズが書中に何度も出てきますが、「利用者が利己的な行動をしてもそれがシステム全体としての利益に繋がる」というブロックチェーンの設計思想にも繋がる最新の考え方なのでは?と思ってしまいます。勝手な妄想ですが。。

全般的に面白い本なのですが、構成にやや疑問が残る(章の前後の関連性・繋がりに違和感がある)ので ★マイナス1としました。



 

5.これからのマネジャーの教科書

オススメ度:★☆☆☆☆


「ミドルマネジャーのための本」という触れ込みで、なかなか良さげな出だしの本だったのですが、買って損したとは言いませんが全く腹落ちしなかった本です。

グロービス経営大学院の院生へのインタビューからの実例分析なのでしょうが、主観的な分析に終始しているような印象を受けました。どこかで聞いたことのあるようなノウハウを言い回しを変えて並べただけの焼き回し本というイメージです。残念ながら私には響きませんでした。



 

教養・教育系

6.あらためて教養とは

オススメ度:★★★★☆


一昨年、教養とは何か?というのをふと考えて二冊ほど本を読んでみたのですが、釈然とせずに残っていたモヤモヤがこの本を読んで霧消しました。


当時読んだのは以下の二冊です。
① 「おとなの教養」(池上 彰)
② 「ビジネスに効く最強の「読書」 本当の教養が身につく108冊」(出口 治明)

①では、教養とは「進歩の速い世の中にあっても陳腐化しないスキル」であり、「すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐ役に立たなくなる。すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ」と書かれています。つまり、「長い人生を生きていく上で、自分を支える基盤になるもの」というのが教養、という理論です。

②では、教養については「人間が賢くなる方法は、人に会い、本を読み、世界を旅すること以外にない」と書かれていて、読書については「読書は知識を得るためではなく、自分の頭で考える材料を得るためにある」と書かれています。読書で考え方の幅を広げる訓練をすることで教養が磨かれるということでしょうか。

「学問、知識などによって養われた品位」という国語辞典的な意味をなぞっているだけで、何だかモヤモヤが残りますよね。


そして「あらためて教養とは」では、「自らを立てるために必要なのが教養」と書かれており、「自らを立てる」とは「揺るがない自分を創り上げる。自分に対して則(規矩)を課し、その則の下で行動できるだけの力をつける」と説明しています。なお「規矩」については、「自分独りに課したものでありながら、自分の生きる社会との関係の中で、自らと社会の協調関係の中で、見出し、自分に課していくべきもの」としています。また教養は、ドイツ語での「Buildung」が意味的に近いとし、がっちりとした基礎の上に自分という人間をきちんと創り上げていくことだと述べています。

また、「分別」というキーワードが本書に何度も登場しますが、以下の説明が分かりやすかったです。

分別(ふんべつ)のある人というのは具体的にどんな人のことをいうので... - Yahoo!知恵袋


ここで、私の「教養」に対する理解を図式化したものが以下になります。

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ハイ、全然分かりませんよね(笑)。少し説明すると、本書にも書かれている通り、教養の最低限のベースは「人間としてのモラル」です。自分をきちんと律した上で、そこに幅広い知識や経験を乗せ、それを自分なりに咀嚼・吸収して分別を育てていき、いずれ揺るがない自分を自立させていくといった構図になっています。知識や経験は「栄養」、育てていくべき分別が「幹」というイメージです。自分の中では非常にスッキリしたのですが、全然スッキリしないという方は是非本書を読んでみてください。



 

7.自分を成長させる 最強の学び方

オススメ度:★☆☆☆☆


表紙だけ見ると脳科学者の茂木健一郎さんの本に見えますが(笑)違います。オンライン学習サービス「gacco」の前社長の本です。

学びの真の目的は「自分のアイデンティティを確立すること」であり、学び続けるためには、

  • 費用負担が軽くて
  • 距離・時間の自由が効き
  • モチベーションが維持できる

という学び方を選択するのがよいとの前置きがあり、それら全てを満たしている「gacco」(「モチベーションの維持」はディスカッションボード上の「学び合い教え合う」コミュニティ)で学びましょう、という宣伝本です。


学びとは「社会を知り、自分を知って、社会に自分の力がどう活かせるかを見つけ出すこと」という意見には同意ですが、結局、タイトルの「最強の学び方」って一体何?という疑問符が残ります。個人的には、学びには3つ目の「モチベーションの維持」が非常に重要だと考えていますが、「学び合い教え合う」だけでモチベーションが湧いてくるようなそんな簡単なものではないんじゃないかなと思います。勉強そのものが「楽しい」と思える人は少ないと思いますし、だからこそ、「学びの先に何があるか?(学ぶことで何が得られるのか?)」が想像できないとモチベーションの維持は難しいと考えています。「学習とは、入力(感覚)と出力(行動)が結びつくこと」というのは、まさにそういう意味だと思います。


あと細かい感想としては、

  • 目新しいことが書いていない(どこかで聞いたことがあるような話が多い)
  • データが示されてないので信憑性、根拠が乏しい

という感じでした。




 

データ分析系

データ分析系としては、昨年は「PythonユーザのためのJupyter実践入門」などの技術系の本も読みましたが、一般の読み物としては以下の一冊のみです。

 

8.「原因と結果」の経済学 ――― データから真実を見抜く思考法

オススメ度:★★★★★


因果推論の入門の入門書。ビッグデータ時代を生き抜くためのスキルとして、データ分析だけでなく、「データ分析の結果を解釈するスキル」を身に付ける必要があるとし、その一つとして、因果関係と相関関係の違いを理解し、原因と結果に本当に因果関係があるかを考えるトレーニングをすることで、思い込みや通説にとらわれない正しい判断が出来るようになると説いています。


共著者の中室牧子氏は二年前に読んだ「「学力」の経済学」を執筆していますが、その本が面白かったということもあってこの本を読み始めました。

akiyoko.hatenablog.jp


前著と同じく読みやすく、取り扱っているテーマも非常に面白いです。
経済学者で「とくダネ!」にも出演している安田洋祐氏のブログの書評でも、

データ分析に欠かせないこの因果推論を驚くほど分かりやすく解説・紹介した、現代の新教養の画期的な入門書


『「原因と結果」の経済学』が分かりやすい3つの理由 : ECONO斬り!!

と書かれている通り、取っ付きにくい因果推論に特化した本でありながら、読者が挫折しないようにいわゆる教科書的な込み入った説明や小難しい数式を使わずに、データ分析の現場での最先端の手法を紹介しています。

経済学では特に、因果関係を示唆する根拠のことを「エビデンス(科学的根拠)」と言い、「回帰分析」や「自然実験」「疑似実験」よりもエビデンスレベルが高い因果推論の理想形として「ランダム化比較実験(RCT:Randomized Controlled Trial)」が存在し、複数のランダム化比較実験を統合した「メタアナリシス」がエビデンス・ピラミッドの頂点に位置しているという構図は、日本ではまだ馴染みがないでしょう。


最後に、因果関係を読み解くための因果推論の5つのステップは以下のようになっています。

  • 1.「原因」は何か?
  • 2.「結果」は何か?
  • 3.3つのチェックポイントを確認
    • まったくの偶然ではないか
    • 交絡因子(第三の変数)が存在しないか
    • 逆の因果関係は存在しないか
  • 4.反事実を作り出す(「もっともらしい値」で置き換える)
  • 5.比較可能になるように調整



 

自己啓発系

自己啓発本は最近はあまり読まないようにしていたのですが、タイトルが気になったりしてついつい読んでしまいます。

 

9.SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル

オススメ度:★★★★☆


この本は、「ソフトウェア開発者の人生マニュアル」という副題の通り、ソフトウェア開発者の生活を豊かにするための指南書です。

「キャリア」「自分自身のマーケティング」「学び方」「生産性を上げる方法」「お金(に働かせるという考え方)」「健康をハックする方法」といった幅広い分野について具体的な実践方法を紹介しています。ソフトウェア開発者のために特化した本というよりは、著者のキャリアがソフトウェア開発者だったということで、著者自身の経験から「これは人に勧められる」と考えた方法を惜しみなく紹介しています。実践方法が具体的なので今すぐ始めようという気持ちになれますし、実際すぐに始められることが多いです。私もスクワットから始めてみました(笑)。

前半は他のソフトウェア開発本にもよくある感じであまり響かなかったのですが、後半のお金の話や健康ハックの章はグイグイ引き込まれました。開発者向けの本としてはあまり出てこない新鮮なテーマだったからでしょうか。

意識高い系のおっさんが読んでも面白いですが、学生や20代のプログラマ、SEが読むと非常に有益かと思います。



 

10.やりたいことをやれ

オススメ度:★★★☆☆


本田技研工業(ホンダ)の創業者、本田宗一郎氏の本。家の近くに工場があったのと、タイトルに釣られて何となく手に取りました。パナソニック創業者の松下幸之助氏の「道をひらく」が好きで何度も読み返していて、それと同じように人生の教訓が読めるのかと勝手に想像していたのですが、全く違いました(笑)。この本はエッセイ集で、タイトルもその中の特徴的なものを単にチョイスしただけのようで、本全体を貫くテーマでは無かったようです。うーん、紛らわしい。。

ところで本田宗一郎氏は、「頭に閃いたアイデアを実証せずにはいられない」という根っからの技術者のようです。物作りに対しては、創意、工夫、失敗を恐れない勇気が必要で、中でも特に重要なのが弾力性のある見方、物の考え方であり、アイデアであると説く一方、人間関係については、「礼儀は人間の基本」「結局は人柄」「他の人の立場、気持ちを考える」など人間愛に溢れる考え方を持っています。

また、

人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。そのかわり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。

こちらが望んでいること、こうやりたいと欲していることをスムーズに受け入れてもらうためには、まず、先方の心を知らねばならない。相手の気持ちを知って、相手が理解しやすいようにもっていかなければ、心からの協力は求められないからである。

人間にとって大事なことは、学歴とかそんなものではない。やはり他人から愛され、喜んで協力してもらえるような、徳を積むことである。そしてそういう人間を育てようとする精神なのではないだろうか。

いうまでもなく、人間関係を支えるものは相互の愛であり、信頼であり、尊敬である。私はこれをひっくるめて一言でいえば、秘密を守ることだと思う。なぜかといえば、(中略)秘密を守るという行為の中に、その人の人格の要素となっているさまざまな精神的なものがにじみ出ていると思うからである。お互いに秘密を持ち、守りあう量で、人間関係の質が判断できると思う。

などといった一節は、デール・カーネギーの「人を動かす」にも通ずるものがあって面白いなと感じました。



 

11.エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

オススメ度:★★★☆☆


エッセンシャル志向とは何か?を簡潔に表した模式図が以下になります。「より少なく、しかしより良く」を追求するために、努力の方向を絞ったのが右側の図です。

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「全部手に入れよう」「全部やろう」とすると本質を見失ってしまう、自分で選べない人は他人の言いなりになる、だから自分で優先順位を決めなければいけない、というのは耳の痛い言葉です。

中途半端なイエスをやめて、「絶対やりたい!」か「やらない」かの二択にしよう

は、大胆ですが本質を突いた究極の判断基準になるでしょう。

全体的に分かりやすく書かれていて、内容に特に違和感は無いのですが、もっと手短に書かれていてもいいかな(冗長すぎる)と感じたので、★をマイナス1しました。



 

投資系

SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」で投資について書かれていたのを機に人生で初めて手を伸ばしてみた分野です。全然分からない分野なので、気になった本を手当たり次第読んでみたというのが実情です。

 

12.株で富を築くバフェットの法則 ――― 不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法

オススメ度:★★★★☆


株式投資で巨万の富を築いた伝説の投資家、ウォーレン・バフェットの半生を描いた一冊。投資の神様と言えば「バフェット」というのは聞いたことがあったので、投資の勉強をするならバフェットの本を何か一冊読んでみようと考えて辿り着いた本です。

バフェットの投資哲学は一貫していて、「簡単に理解できる事業を行っており、5年・10年・20年先にきっと今より大きな利益を上げていると思われる企業の株式を納得できる価格で買うことが投資家の目標」と本人がレポートに書いた通り長期投資をメインとし、景気や企業業績が不調のときに買うことを最良としています。ちなみにバフェットが経営するバークシャー・ハサウェイの業績は、過去50年間(1965~2014年)の平均年利(複利)で約20%という驚異的な数字を上げているとのこと。初年度に100ドル投資していれば、50年後に7万5000ドルを超えるリターンが得られる計算になります。
ウォーレン・バフェットの驚くべき収益成果 | 先進国インデックス投資が最強だと証明する岩崎ブログ


バフェットの投資手法と言えば「バリュー投資」(実際の価値よりも割安に放置されている株を購入して本来の価値で売却する)で有名ですが、その手法に大きく影響を与えたのが、「安全なマージン」という銘柄選別法を提唱したベンジャミン・グレアム、「収益性と優れた経営者が大事」とし「理解できるものに絞り込んで投資する」というフィリップ・フィッシャー、割安でなくても良質な企業を買うチャーリー・マンガーだといいます。それについて、

グレアム、フィッシャー、マンガーへのバフェットの思い入れはよく理解できる。グレアムがバフェットに「安全なマージン」という投資の基礎を与え、感情のコントロールを教えた。フィッシャーによって、バフェットの手法は洗練され、長期投資のよい対象を見極めて集中的に投資する方法が与えられた。マンガーは、優れた事業を保有することで大きな利益がもたらされることや、投資判断で陥りがちな心理的な失敗について教えてくれた。バフェットの投資判断について、その意図をどう解釈するかでしばしば混乱が起きるが、3人の教えの組み合わせがバフェットだと考えると、その誤解は解けるだろう。

と著者は書いています。


そのほか、バフェットの考え方や人となりを知る上で非常によくまとまった本になっていると思います。バリュー投資、長期投資を戦略にしている人であれば鉄板本ではないでしょうか。なお、よく耳にするバフェット語録をまとめて読みたければ、下に挙げた「1分間バフェット」などがオススメです。



 

13.1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則

オススメ度:★★★★☆


投資の神様とも称されるウォーレン・バフェットのいわゆる金言集。
「価格とは、買う時に支払うもの。価値とは、買う時に手に入れるもの」
「投資で重要なのは、自分でルールを考えることと、それを破らないこと」
「リスクとは、自分が何をやっているかよくわからない時に起こるもの」
「他人が貪欲になっている時は恐る恐る、まわりが怖がっている時は貪欲に」
などなど、シンプルでありながら深いフレーズを88個集めた一冊です。

バフェットがどんな人でどんな投資手法を取ってきたかを知った上で読むと有益と思われますので、先に紹介した「株で富を築くバフェットの法則」を合わせて読むことをオススメします。合わせて読む前提で ★★★ からプラス1で。



 

14.生涯投資家

オススメ度:★★★★☆


ニッポン放送株のインサイダー取引(村上ファンド事件)で世間を騒がせた、いわゆる「もの言う株主」村上世彰氏の波瀾万丈な半生を描いた自叙伝です。阪神電鉄の買収劇や 2006年の逮捕は一体何だったのか? が語られています。

その他、子供の頃のエピソードや氏の投資信念なども書かれていて、それだけでも読む価値があります。

企業とその経営者にとって、上場には二つのメリットがある。ひとつは、株式の流動性が上がること。すなわち、株式が換金しやすくなることだ。もうひとつは、資金調達がしやすくなることだ。逆に言えば、この二つが必要ない場合には上場する必要もない、と私は考えている。

私の投資は徹底したバリュー投資であり、保有している資産に比して時価総額が低い企業に投資する、という極めてシンプルなものだ。

投資家として大事なことは、失敗したと気が付いた時いかに素早く思い切った損切りができるか。下がり始めたら売る決断をいかに速やかにできるか、ということだ。それによって、失敗による損失を最小限に止めることができる。

期待値一・〇を超えないと、金銭的には投資する意味がない。この「期待値」を的確に判断できることが、投資家に重要な資質だと私は考えている。

「期待値」のほか、私が投資判断を行なうにあたって重要視している指標がIRR(内部収益率、InternalRateofReturn)だ。手堅く見積もっても、IRRの数字が一五%以上であることが基準となる。

投資につきものであるリスクを査定する際には、定量的な分析よりも定性的な分析が重要なポイントとなる。数字や指標の判断よりも、経営者やビジネスパートナーの性格や特徴を摑むことだ。


事件の真相については、この自伝があくまで村上氏側の主張になっているので果たして真実が何だったのかは私には判断できませんが、当時のメディアから受けたイメージは一変しました。しかしながら、全ては「コーポレート・ガバナンスとその浸透による資金循環の促進こそが経済成長を促す」という想いから、というのはあまりにも良く書かれ過ぎているんじゃないか感も否めません。氏の締め括りのフレーズをどう感じるかは、読者次第です。

私は多くの批判を受けてきた。その原因として、自分の信念を信じ、その信念に自信を持ちすぎて、早急に物事を進めすぎた場面があったことも、今になって振り返ると否定できない。しかし、その方法論や私の言動に賛否はあっても、私が目指してきたことは常に「コーポレート・ガバナンスの浸透と徹底」であり、それによる日本経済の継続的な発展である。


現在は半リタイアしてシンガポールに在住しているという村上氏ですが、Yahoo!ニュースの特集記事に氏の近影が載っていました。あの頃からだいぶ老けたなぁ、という印象です。

「日本郵政は外資が買えばいい」―― 再始動の村上世彰氏が語る - Yahoo!ニュース



 

15.お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力・・・はこう「動いた」

オススメ度:★★★★☆


意外というか(笑)予想以上に面白かった一冊。一気に読み終えました。
知っている人からすれば当り前のことなのかもしれませんが、歴史に疎い私としてはいつかもう一度読み直したい本です。


お金が歴史を大きく動かしていた、そして歴史は繰り返す、というのは示唆的で興味深いです。

国の盛衰というものには、一定のパターンがある。強い国は、財政システム、徴税システムなどが、しっかりと整っている。そして国が傾くのは、富裕層が特権をつくって税金を逃れ、中間層以下にそのしわ寄せがいくときなのである。だから国を長く栄えさせようと思えば、税金を逃れる「特権階級をつくらないこと」だといえる。
現在、タックスヘイブンなどにより、世界的規模で特権階級が生じている。ということは、世界的な規模での「国家崩壊」が近づいているのかもしれない。


 

その他

 

16.予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

オススメ度:★★★★★


この本は昨年読んだ本の中で一番面白かったです。
一昨年読んだ「フリー」の中にも登場していましたし、経済学者で東大名誉教授の伊藤元重先生の「ビジネスエコノミクス」の反転授業に参加したときにも話題に上っていたので結構有名な本なのかなと思ったら、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに載ったほどの本だとか。著者のダン・アリエリーは現在デューク大学で心理学と行動経済学の教授職を務めており、過去には TED で何度かプレゼンテーションをしたこともあるようです。 *1


ひと言でこの本を説明すると、

わたしたち人間は、従来の経済学の見方からすると、ちっとも合理的でない行動ばかりとっているらしい。本書でも、人間の行動や決断がいかに不合理かを示す興味深い実験がいくつも紹介されている。けれども、著者がこの本全体を通じて主張しているのは、その不合理さには規則性があって予想することができ、だから解決策もある、ということだ。

という訳者あとがきの通りなのですが、行動経済学の入門書として、自ら行った実験結果や多彩なエピソードを交えて、楽しく分かりやすく解説してくれています。またその解決策としては、著者の言うように、我々の行動に規則性のある予想できる形で影響を及ぼす力(感情、相対性、社会規範など)を過小評価したり無視したりせず、我々の脳がそれらに何らかの影響を受けていると認識することで失敗を回避できるとしています。

「本当に求めているものではないのに『無料!』となると不合理に飛びつきたくなるのはなぜ?」など、日常生活でよく見かけるテーマが散りばめられていて面白く、「へえ」と頷くことしきりの一冊です。




 

17.1日ひとつだけ、強くなる。世界一プロ・ゲーマーの勝ち続ける64の流儀

オススメ度:★★★★☆


面白かったです。5年ほど前に「勝ち続ける意思力」を昔読んだのですが、より一層密度が増したように感じました。

「勝ち続ける意思力」を読んだ - akiyoko blog


まずは、「排水の逆転劇」と呼ばれる Evolution 2004 決勝戦の動画を見てください。

この派手な逆転劇に、日々の弛まぬ努力、追い詰められても焦らず判断力を乱されない心の鍛錬、卓越した大局観が凝縮されています。


たかが格闘ゲームと言えどトップの世界で勝ち続ける人の言葉は、ビジネスや人生にも通じる教訓として捉えることもできますが、世の中全体の競争が一段と激しくなりつつある中でこれらの言葉がさらに輝きを増しているようにも感じます。梅原氏も格闘ゲームのプロは真面目にさえやっていれば生きていける世界ではない、自ら積極的に成長していける人だけが勝ち残れると語っていますが、我々のビジネスにもこういった思考力や精神力がますます必要になってくるのでしょう。

もし勝ちたいのであれば、自分ではどうにもならないことに感情を動かされないよう努力したほうがいい。

勝負において自分の戦い方を崩してしまうのは、最も避けるべきことのひとつだ。僕が大切にしているのは、同じ負けにしても感情的にならずに、自分の戦い方のまま負けるということ。感情に呑まれず、自分のやるべきことをしっかりやることが最優先だ。勝ち負けはその結果でしかない。自分の戦い方を保ってさえいれば、ミスがミスを呼ぶことがない。逆転につながる可能性も出てくる。


また、リスクや投資についても鋭い考え方も持っています。リスクを恐れず前に進むには、大局観が必要とのこと。

弱い人というのは目先の損が我慢できない。状況を考えず感情で前に出てしまい、自分のリズムを崩すきっかけを作ってしまう。当然、結果も出ない。

行動力のない人には、共通点がある。特徴のひとつは、「リスク」と捉えるものが多すぎること。「あれも損」「これも損」と考えている。目先の少し損、他人の目、ちょっとした手間なんかが気になって、行動に移せないのだ。

どういうコンセプトで臨むかによって、思考の流れは変わってくる。大局観を持っていれば、ここまでは失敗できる、という線がだいたい見えてくる。大きな目で見れば、少しの失敗がリスクでもなんでもないことが分かってくる。自然と、行動力が出るようになるものだ。

大局観があれば、大きく行動できるようになる。別に正しい視点を持とうとしなくて構わない。大切なのは「仮にこういう視点はどうだろう」と考えて、その視点に沿って行動すること。自分の自由を広げることだ。

投資として、動くことのポジティブな面を考えるのが強いプレイヤー。リスクとして、動くことをネガティブに考えるのが弱いプレイヤー。


「大局観」と言えば、最近、国民栄誉賞の受賞が決定した羽生善治竜王の本「大局観 自分と闘って負けない心」を4年ほど前に読んだことを思い出しました。(現在は47歳ですが)40歳を過ぎてもさらに積極的にリスクに向き合えるようになったという変化は、大局観の賜物ということになるのでしょうか。勝負の世界に生きる最前線の人たちが同じような境地に辿り着いているというのは大変興味深いです。

《過去記事》
akiyoko.hatenablog.jp


私も大局観を意識して持つようにし、日々の変化をチャンスと思えるようにしていきたいです。




 

18.キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック

オススメ度:★★☆☆☆


どこかで見たことのあるようなキャッチコピーのノウハウをまとめたもの。すぐに使えるようなテクニックもあり、まとめてあるので読みやすいのですが、薄いカルピスを飲んでいる感じが否めません。

コピーやライティングに関する本であれば、以前に読んだ「究極のセールスレター」の方が面白かったです。




19.雑談のトリセツ: 会話が楽しくなる!

オススメ度:★★☆☆☆


雑談がとにかく下手なので、読んでみた一冊。
ちょっとした時間に気軽に読み終えられるくらいに薄い本です。

内容については、一瞬「こんなの当り前」と思ってしまうのですが、こういう当り前が出来ていないから雑談が下手なのでしょうね。

以下、気になったところを抜粋。

  • 原則1:「話す内容を思いつきやすい」内容を喋る
  • 原則2:「思いついた内容を話しやすい」環境を作る
    • 相槌を打ち、質問をする
    • 相手が話し手のときは自分は聞き手に回る
    • 話の中に自分のことを交える
    • お互いによく知っている話題を選ぶ
    • 適度に感情が動いた話題を探す(楽しかったこと、ほっとしたこと、恥ずかしかったこと、嬉しかったこと)
    • 相手を不安な気持ちにさせない(落ち着いた態度、相手の話に興味を持っているような態度)
    • 相手に好かれるようにする(挨拶、話を聞くときには目を見る、相手の名前を会話に混ぜる、ねぎらいや感謝の言葉を掛ける、相手の話した内容を覚えておく)