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「歴史が面白くなる 東大のディープな日本史」を読んだ

gacco」(ガッコ)という大学講座が無料で学習できるサイトがあり、日本初の MOOC(Massive Open Online Course)として日本の教育の新しい形を体験することができます。

その講座第一弾である東京大学 本郷教授の「日本中世の自由と平等」(4月14日開講で最終課題レポートは5月18日まで)を先月から受講していたのですが、最終レポートの参考書として読んだのが、この「歴史が面白くなる 東大のディープな日本史」です。


歴史が面白くなる 東大のディープな日本史

歴史が面白くなる 東大のディープな日本史


この本は、講義のビデオを全部視聴し終わってから読みました。
私は理系で地理選択だったので日本史の知識も中学レベルで止まっていたのですが、本郷先生の話も本の内容もすごく分かりやすくて、日本史おもしろいなぁ~と楽しめた 一ヶ月でした。東大日本史の入試問題はこの本で初めて見たのですが、決して暗記問題などではなく、歴史的事実・事件を「自分なりに考えさせる」問題になっているように思いました。つまり、周囲の事情や歴史的な背景をきちんと理解した上で、ある事実・事件がどのような意味を持っていたかを答えなくてはいけないのです。



件の最終課題レポートは、

「日本中世における自由・平等・平和」について800字を基準として述べよ。但し、この時に「所有権の未成熟」「熊谷直実」「人口の増加」という語句を用いること。

というものでした。
一見、何でも自由に書けそうなのですが、3つのキーワードに関連するエピソードを中心に論述を展開させる必要があります。東大入試問題とは出題形式こそ違いますが、講義の内容をしっかりと理解しておかないと答えられないなぁと感じました。


講義と本を通じて、私は日本の中世の特徴を以下のように理解しました。

  • 中世社会の特徴は、政治権力の分散化・主従制度の発達(軍役と本領安堵・新恩給与)・重層的な土地所有制度(荘園公領制)
  • 実力社会。法が通用しない一種の無法地帯を生き抜く術としての武力が必要とされた。自分の所領や財産は自分で守らないといけない
  • 中世の武士には天皇を頂点とした血筋を重視する意識がある
  • 従来の血筋的な結合が弱体化し、地縁的結合が形成される
  • 自分たちのことは自分たちで決め守っていく民主的なコミュニティ、惣村の発達
  • 神仏の存在が集団における結束の核。神仏の前では平等


最近、レポートの採点が返ってきて、無事合格でした!!
頑張って勉強した成果が報われたようで、これは嬉しい!!!


2014/6/11 追記

今週ついに、講座「日本中世における自由・平等・平和」の修了証が発行されました!
自分の名前が入ると嬉しいものですね。^^

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ちなみに、著者の 相澤 理氏は現在、「今でしょ」の 林 修先生でおなじみの東進ハイスクールで(なぜか日本史ではなく)倫理を教えているようです。