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「EdTech 新しい学びのシンポジウム 第3回」に参加してきました

「EdTech 新しい学びのシンポジウム」の第3回目です。昨年末の 「Ed Tech 新しい学びのシンポジウム 第一回」 には参加できたのですが、前回(第2回)は告知を見逃してしまったので不参加でした。。残念。


「EdTech 新しい学びのシンポジウム 第3回」(2014.2.12)


会場は、東京大学 本郷キャンパス 福武ホールB2F だったので、赤門へ。

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ベネッセ森安氏の開会の挨拶にもあったように、今回のテーマは、「MOOC」を中心とした「大人の学び」について。

ベネッセはこれまで K12 を中心にサービスを提供してきたが、これからの少子高齢化社会では MOOC などの大学生以上を中心とした学びのニーズが増えてくる、との予測をしているとのことでした。


第1部:産学の視点で見る、ライフロングラーニングについて

オープンでフラットな学びとやる気格差

飯吉 透氏(京都大学高等教育研究開発推進センター教授)


MOOCsの第一人者でありながら、日本の大学教育、MOOCsへの危機感を投げかけています。そんな、ぶっちゃけトークが面白かったです。

  • 日本では「アクティブ・ラーニング(主体的な学び)」を推進しようとしている。海外ではトレンディー?
    • しかし、実態はクリッカーでトレーニングされた犬ようになってしまうでは??
    • 主体的でクリエイティブで・・・な規格外になれと煽っておきながら、規格外は廃棄される社会。。
  • クリッカーを捨てよ、外国へ出よう」
  • どうして一人ひとりの可能性が広がらないのか?
    • 評価してくれる文化・価値観・体制がない。
    • 「失敗して当たり前」という社会、セーフティネットが必要。
  • アメリカの労働省がやってる、Xmagor? がアツい??
  • 今、日本の「学び」が楽しくない
    • 例えば、東大では「進振り制度」があるので、自分の本当に受けたい授業が受けられなくなる。
    • 学びが束縛される
  • 「GOEN Conference」(グローバル・オープン・エデュケーション)というのがある。
  • オープンエデュケーションの三構成要素+1
    • オープンテクノロジー
    • オープンコンテンツ
    • オープンナレッジ
    • オープンプラクティス(+1)
      • 評価を含めた教育プロセス(MOOC?)
  • 日本はなかなか世界の潮流に追従できていない
  • これからの高等教育は、輸出可能で・交換可能で・拡張可能で・抽出可能なものが望まれる
  • 世界に広がる MOOC
    • 「MOOCは高等教育カップヌードル化」(食事の全部を置き換えることはない)
    • 学生アマチュア教師の台頭「manavee」、「日本語の森」など
    • 誰でも MOOC が始められる、 mooc.org
  • ピーター・ドラッカーの指摘する「師弟関係」さえも残らない、よりフラットな教育へ
  • 21世紀の教育は?

  • 「Tutoring Redefined」
    • OpenStudy: 世界中の学生が学び合い、教え合う
    • 「リアルなつながり感がハンパなかったっす!」
    • 教える側にも同じことが言えるのでは
  • KyotoX: Chemistry of Life: 001x
  • 「ノイズリダクション装置」としてのオープンエデュケーション
  • 一方、日本では「大学が危ない」と言われて久しい
  • 来るべき社会のビジョン「仕事と学びをシームレスに」
  • 教育とは「無限の可能性を信じること」

グローバル人材に向けた学び

村上 憲郎(のりお)氏(元Google米国本社副社長)


サボリを自認する村上氏。昔、「村上式シンプル英語勉強法」を読んだことがあったので、この講演を楽しみにしていました。

Google時代に京大の MOOCs 関連で仕事をしたという縁で、今回の登壇に至ったとか。

  • まずは「世界」という森を見よ
  • 「一知半解読書法」
    • 一時間くらいで読める細部に拘らない本を何千冊読み、大局観の訓練に努めた。
  • 顧客満足、仕事の優先度
  • 管理職になった際、デール・カーネギー「人を動かす」の目次を毎朝読んだ

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

  • 「道は開ける」の各章最後のまとめを、悩んだり落ち込んだりしたときに読んだ

道は開ける 新装版

道は開ける 新装版

  • アメリカでは、宗教・哲学・アメリカ史を知らないと仕事ができない
  • マンキューの経済学を勉強して何とかなった
  • グローバル化とは一体何ぞや?
  • グローバリゼーションの3つのステップ
  • 21世紀に必須な、英語運用能力。良いとか悪いとかではなく、何をやるにしても英語が必須になる
  • 中学生英語必勝法
    • 中学教科書を毎日。CDを聴きながら、音読せよ
  • 31歳から、一日3時間3年間やった。
  • 最後は「パトス(パッション・情熱)の論理」

大学、大人の学びと社会のつながり

岩瀬 大輔氏(ライフネット生命保険 代表取締役社長)


ベネッセの社外取締役になった関係で呼ばれた、とのこと。「私の学び方」と題して、30代の自分自身が最近どうやって学んでいるのかを紹介。何かのヒントにしてほしい、と。

ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995

ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995

    • Amazon.com CEO Jeff Bezos Talks Tech Bloomberg
    • ワークショップの自分が出ていないセッションの動画を見る
  • カンファレンスに参加する
    • 生で学ぶ機会
  • 発信する
    • ハーバードMBA留学記を書いたが、かなり反響があった。
    • ネットで生保を売ろう!
    • 講義の依頼もあって、いろいろ循環(ループ)してくる
    • 発信すれば返ってくる、そのキャッチボールでも学べる
  • 親しい仲間、身近な先輩から学ぶ
  • 日本を飛び出して学ぶ
  • 若者(高校生)から学ぶ
  • 異質なものを繋げて学ぶ(文楽、等々)

第2部:MOOC、オープンエデュケーションなどのライフロングラーニング

パネルディスカッション

モデレーター:渡辺雅之(Quipper)

Q. MOOCsを続けるのは難しいと言われているが、モチベーション維持のコツは?(渡辺)

  • コミュニケーションを取らせる仕組み作りが重要。一緒に組み合わせるのが続ける工夫になっているのかも。(岩瀬)
  • 人間は本質的にサボリ。逆説的になるが、最小の努力で最大の効果を上げるかがモチベーション。「モチベーション=究極のサボリ主義」(村上)
  • 大人の目標はどこに設定すれば?(渡辺)
  • 英語が出来ないと20年後にまともな仕事はない。必要性を噛み締めないとダメ。英語以外ない(村上)
  • 村上さんはやる気の向こうに何かがあったと思う。必要であればやる。(飯吉)
  • MOOCsは普通の人が続けられるようになるか?
  • 数学を教えていて分かったことが二つ。部屋の温度と、面白い話。宿題をしてこないと、面白い話をしなかった。(飯吉)
  • すぐにフィードバック、評価してくれる社会が大事。(飯吉)
  • 今の MOOCs は(根性があるかどうかを?)ふるい落とすためのものになってしまっている。だからダメ。ただし、敷居を下げてしまってみんなが合格できるようになってしまうと、意義がなくなってしまう。(飯吉)


Q. 楽しいということと、MOOCs共存できるか?(渡辺)

  • 人とコミュニケーションを取るのが楽しい。エンターテインメント性がキーワード。(飯吉)
  • 良い先生に巡り会えたことが自分にとってはよかった。そういうところから「森羅万象を知り尽くしたい」というのが根底にあった。(村上)