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【代々木系イベント】スマホアプリで世界をねらう会社が実践していること(ベトナムからの生中継もあるよ~)

スマホアプリの海外展開に関するセミナーに行ってきました。

「【代々木系イベント】スマホアプリで世界をねらう会社が実践していること(ベトナムからの生中継もあるよ~)」(2012.7.31)


スマホアプリを海外展開させる際に重要なポイントになる、マネタイズ、プロモーション、ローカライズについて、それぞれ実際に海外向けにアプリを展開している各社の担当者が登壇してノウハウを披露するといったセミナーでした。

19時から22時まで、スケジュールもボリュームもぎっしりでしたが、すごく勉強になりました。(フツーに仕事した後だったので、ちょっと疲れた。。)


【マネタイズ】

世界No1アドネットワーク AdMob のアプリ海外事例

坂本達夫氏(Google

  • 市場の大きい「世界」を狙いましょう。
  • 最低限、英語で。
  • ターゲットにする国を絞るのは大変。その国でマーケティングができるのが大前提。
  • 狙いを絞るのではなく、ヒットした国でのチャンスを逃さないことが重要。
  • マネタイズ戦略としては、①有料アプリ販売、②アプリ内課金、③広告掲載
  • ①を選択すべきアプリの特徴としては、買ってでも欲しいもの、真似できないもの。
  • ②は、欲求をくすぐるもの、価格設定が魅力的、決済が容易。
  • ③は、他のネットワーク(inmobi, iAd等)も複数入れて、リスク分散、収益最大化。
    • 国ごとに優先順位、配信比率を最適化。季節によっても収益が全然違う。
    • 他の課金との組み合わせも考慮。
    • 広告主にも魅力的なもの。ミスクリック誘発、ダメ、絶対。
    • 広告も現地の言語に対応すべし。


「スマホアプリで世界を狙うべきか否か?」という戦略的な部分については、日本が、

携帯デバイス総台数 スマホ普及率 スマホ台数
2012年 1億台 20% 2000万台
2016年(予測) 1億台 80% 8000万台

なのに対し、世界のスマホ事情は、

携帯デバイス総台数 スマホ普及率 スマホ台数
2012年 60億台 15% 9億台
2016年(予測) 80億台 50% 40億台

とのこと。
市場を日本に限定すると6000万台UPなのに対し、世界を狙うとナント31億台UP!!
どっちがウハウハなのかは一目瞭然ですよねと。合点。


海外トラフィックをマネタイズする自社広告の運用ノウハウ

箭内実氏(menue)

SlideShare: http://www.slideshare.net/MinoruYanai/20120731-13821009

  • ユーザを増やすには、
    • 各言語ごとに上昇ワードをチェック。
    • アプリのランキング・DL数を日ごとにチェック。
    • 適正なトラフィックを各言語単位で送客する(4日以上は維持したい)。
  • DISTIMO は必須ツール。
  • 同じ言語圏だとDL数とかの傾向が似通ってくるので、運用に反映。
  • US、UKは激戦区。なかなか上手くいかない。あまりフォーカスしないのが吉。
  • 各言語対応の翻訳は、oDESK で外注。
    • 日本語→英語はきれいに翻訳しておく。
    • コストは(英語→他言語の場合で)1/3〜1/4。
    • 一言語あたり安くて$6〜7、(RPGなど)高くても$200〜300。
  • トラフィックを一社に絞るのは危険。
    • admob、inmobi、adstirあたりがオススメ。
    • 海外のトラフィックは意外と儲からないかも??


DISTIMO は初耳だったのですが、調べてみたらどうやら「Distimo Monitor」というフリーのツールを使ってアプリの解析をするようです。
後述の「App Annie(アップアニー)」というレポートサイトでも、同じような解析が見れるようですね。φ(.. )


【プロモーション】

アプリ海外市場の調査法と米国プロモーションのポイント

石森博光氏(アドイノベーション)

  • 海外展開の際はまず、各国のマーケット規模から売上の予想を立てる。
  • DISTIMO からデータを引っ張ってくる。
    • やっぱりiOS儲かってる。
    • 中国はDL数が多いのに売上が少ない。
    • 日本は高単価のおいしい市場。
    • 無料+アプリ内課金が、半数以上を占めている。
    • カテゴリ別ではゲームがダントツ。エンタメ、ソーシャル、音楽、スポーツの順。
  • 予算と目標を明確にするのがポイント。
    • 「ランキング25位以内」「1ヶ月で30万DL」とか
  • プロモーション戦略マトリクス
  • 失敗しないための施策
    • アプリのサイズは50MB以内。
    • ローカライズはしっかり。
    • 小予算でテストプロモーションしてみる。
    • ソーシャルメディアマーケティングはきちんとやる。


プロモーション戦略のところがよく聞き取れなかったのですが、過去スライド「今さら聞けないAndroidアプリの基本プロモーション方法」から察するに、広告の種類としては、

  • レビューサイト
  • ソーシャルメディア
  • プレスリリース
  • CPI(リワード)
  • ノンインセンティブアフィリエイト
  • 純広(ブースト)
  • リスティング
  • アドネットワーク
  • 記事広告

などがあるが、資金力がない場合はなるべくお金を使わない媒体を使わざるを得ないね、って話だったようです。


ローカライズ

600万人突破!7割が海外から。アジアで大人気”デコる”カメラアプリ DECOPIC のローカライズ戦略とは?

松本龍祐氏(コミュニティファクトリー)

Slide Share: http://www.slideshare.net/aerocafe/decopic

  • デコ系カメラ「DECOPIC」リリース。最初から5ヵ国語に対応。
  • 企画段階では「非言語」「端末に根ざしたサービス」「Facebook」「Japan Culture」が海外展開のキーワード?
  • リサーチ段階では、「App Annie」を使っている。
    • 継続して見ることが重要。
    • 主要国、ターゲット国のトップ25をチェック。
    • ターゲットカテゴリのトップ300を *ざっと* チェック。
    • 類似アプリをDLしまくる。
  • まずは、イケてるテーマ設定。次にデータをざっと調査。チューニングにこだわり過ぎず、完成度を高めよ。
    • イケるテーマであれば、マーケットよりもアプリの完成度を高めることに注力した方がよい。その後にやっとマーケティング。
  • ローカライズについては、過去のスライド「海外展開のためのUI」を参照。


他の登壇者とは少し見解が違い、「作り込み > マーケティング」派のようですね。
過去スライドも情報満載で勉強になります。



【世界をねらう準備】

~出版記念~スマホで世界をねらうために知っておきたい3つのこと

佐藤航陽氏(メタップス

  • 「metaps」Android向けリワード広告ネットワークを支援。
  • スマホにおいては、グローバル対応できないサービスは消滅する!
  • 儲かるかどうかはノウハウ次第。
  • アプリは出した瞬間にパクられ始めてしまう。だから、マーケティング重要。
  • Androidは意外と勝ちやすいマーケット? まだ競争が少ない。
  • 強みに特化しないと勝負にならない。中途半端なサービスは全く通用しない。
    • SNSの影響もあり)言語によってアプリ経済は繋がっている。
    • 北米・欧州の市場は圧倒的。最近は、北米 × iOS(ただし激戦区!)
    • 広告費も上昇傾向。なのでガッツリ攻めようとは考えていない。
    • むしろ、東南アジア。出稿料も低め。
  • 国によってはカルチャライズは必要ないことも。
    • 日本のアプリは(言語対応しなくても)台湾・香港・韓国で好かれることが多い。
  • スマホ業界は資金と人材が全て。
    • 超人材合戦。引き抜きまくり。特にアメリカ。
    • 日本人を海外に送り込んで支社長にする→ダメ
    • 現地のキーマンを引き抜いて、支社を立ち上げさせる。
    • 今後「来る」国に張っておく。一昔前のアジアだと、シンガポールとか。
  • ローカライズを気にし過ぎて、失敗したことも。近づき過ぎないこと!

まとめ

  • 世界戦略が必要。
  • 超高いアンテナが求められる。
  • 先に網を張ること。


(いい意味で)はっきり物事を言う人だなぁという印象でした。
「有料アプリは死んだ」とかもう、名言(笑)。

今回のスライドは見つけられませんでしたが、過去スライド「Androidアプリで日商100万円達成した時にやったこと」がありました。3割くらい同じ内容です。