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akiyoko の IT技術系ブログです

PyCharm のデータベースツールが最強。ER図も簡単に書き出せるよ

はじめに

Django アプリを開発するのに、Mac 版 PyCharm を使っています。

PyCharm のデータベースツールを使うと、レコードの内容をテーブル表示、コンソールからSQL実行など、Sequel Pro で出来ることはほぼ代替できるし、ER図も書き出せてすごく便利です。


ちなみに、データベースはいつも MySQL を使っているのですが、それ以外にも PostgreSQL やその他のほとんどのデータベースでも利用可能です。


バージョン

  • Mac OS X 10.10.5
  • PyCharm (Professional Edition) 5.0.4


なお、PyCharm のデータベースツールは、Professional 版でしか使えません。
PyCharm :: Editions Comparison



 

MySQL の接続設定

Database ペインを表示します。

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[+] アイコン > [Data Source] > [MySQL] を選択します。

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JDBC Driver(MySQL Connector/J)がインストールされていない場合は、「Download missing driver files」の「Download」リンクをクリックするだけでインストールが完了します。

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MySQL の接続設定をします。

以下の設定は、次の場合を想定しています。

  • Ubuntu 14.04 LTS(on Vagrant)
    • IPアドレス:192.168.33.103
    • ログインユーザ:vagrant
  • データベース
    • データベース名:myproject
    • データベースユーザ名:myprojectuser

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接続テストが OK なら、接続設定を完了させます。
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Database ペインに、テーブルが一覧表示されます。
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データベース操作

データベース名をクリックするとテーブルのレコードが一覧表示され、そこから直接レコードを更新することもできます。
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SQLコンソールを開くこともできます。
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テーブル名などの自動補完が効いています。
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SQLコマンドの実行は、⌘ + enter 。
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ER図の書き出し

データベース名を右クリックして、[Diagrams] > [Show Visualization] を選択すると、ER図を書き出すことができます。

試しに、auth 系テーブルの ER図を書き出してみます。
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すごく簡単です。


ER図のレイアウトが PyCharmデフォルトでいくつか用意されています。右クリックから [Layout] で変更することができます。
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PyCharm デフォルトのレイアウトをいくつかチェックしてみます。

Circular
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Hierarchic Group
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Organic
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Orthogonal
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Directed Orthogonal
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まとめ

PyCharm のデータベースツールは、テーブルの操作は当たり前として、JDBC Driver のインストールから ER図も書き出しまで含め、至れり尽くせりで、データベース管理ツールとして最強だと思います。

Professional版だけの機能になりますが、もし Professional版を持っていれば、使わない手はないでしょう。

Homebrew-Cask が管理しているアプリのバージョン情報を最新化するときは、brew update するだけで OK

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結論から言うと、OS X の Homebrew-Cask が管理しているアプリのバージョン情報を最新化するときは、

$ brew update

するだけで OK です。


ただし、2015年12月以降に Homebrew-Cask がアプリのバージョン管理システムを刷新したらしいので、それ以前に Cask をインストールしていた場合は、一旦、

$ brew uninstall --force brew-cask; brew update
$ brew tap caskroom/cask

を実行して、Homebrew-Cask を入れ直す必要があります。

参考

github.com




 

経緯

OS X 版 PyCharm を Homebrew-Cask で管理しているのですが、そろそろ PyCharm 5 系にアップグレードしようとしたところ、

$ brew cask info pycharm
pycharm: 4.5.4
PyCharm
https://www.jetbrains.com/pycharm/
/opt/homebrew-cask/Caskroom/pycharm/4.5.4 (3484 files, 340M)
https://github.com/caskroom/homebrew-cask/blob/master/Casks/pycharm.rb
==> Contents
  PyCharm.app (app)
  ・
  ・

となっていて、アプリのバージョンリストから update しなきゃダメだなと思っていたら、どうやら、Homebrew-Cask で管理しているアプリたちは、

$ brew upgrade

ではリストが更新されないらしく、どうやら手順が面倒だということが判明。。

参考



どうしたものかといろいろ探していると、本家の GitHub に、2015年12月に新システムに移行したというアナウンスが。
GitHub - caskroom/homebrew-cask: A CLI workflow for the administration of Mac applications distributed as binaries



しかしながら、それ以前に Homebrew-Cask をインストールしていた場合は、

$ brew uninstall --force brew-cask; brew update

$ brew tap caskroom/cask

を実行して、再インストールしておく必要があるとのこと。



実行

Homebrew-Cask を更新したので、早速、PyCharm を最新版の 5系にアップグレードしてみます。

$ brew cask info pycharm
pycharm: 5.0.4
PyCharm
https://www.jetbrains.com/pycharm/
Not installed
https://github.com/caskroom/homebrew-cask/blob/master/Casks/pycharm.rb
==> Contents
  PyCharm.app (app)
$ brew cask install pycharm
==> Downloading https://download.jetbrains.com/python/pycharm-professional-5.0.4-jdk-bundled.dmg
######################################################################## 100.0%
==> Verifying checksum for Cask pycharm
==> Symlinking App 'PyCharm.app' to '/Applications/PyCharm.app'
🍺  pycharm staged at '/opt/homebrew-cask/Caskroom/pycharm/5.0.4' (4162 files, 520M)

無事、アップグレードできました。


(2016/8/30 追記)

Homebrew-Cask を使った場合のアプリのインストール先が変更になったようなので、以下のコマンドを実行して対応しました。

$ mv /opt/homebrew-cask/Caskroom /usr/local/
$ sudo rm -rf /Library/Caches/Homebrew

### 全てのアプリを再インストール
$ brew cask install --force $(brew cask list)

途中、

Error: undefined method `latest?' for nil:NilClassMost likely, this means you have an outdated version of Homebrew-Cask. Please run:

brew uninstall --force brew-cask; brew untap phinze/cask; brew untap caskroom/cask; brew update; brew cleanup; brew cask cleanup

というエラーが出たのですが、特に問題はないようです。*1


ちなみに、

$ brew uninstall --force brew-cask; brew untap phinze/cask; brew untap caskroom/cask; brew update; brew cleanup; brew cask cleanup

を実行しても同じエラーが出ました。

Mac で USBマイクの音声を手軽に録音する方法(QuickTime Player の使い方)

Mac で USBマイクの音声を録音するには、Mac にデフォルトでインストールされている「QuickTime Player」を使えばお手軽です。


USBマイクには、以下の様なコンデンサータイプの全指向性高感度USBマイクを使っています。集音範囲が 5m もあるので、会議やイベントなどで、部屋の中の広範囲の音を集めたいときに重宝します。

サンワサプライ WEB会議高感度USBマイク MM-MCUSB22

サンワサプライ WEB会議高感度USBマイク MM-MCUSB22


バージョン

  • Mac OS X 10.10.5
  • QuickTime Player 10.4

 

録音方法

QuickTime Player を開き、[ファイル] -> [新規オーディオ収録]を選択します。


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真ん中にある三角形のアイコンをクリックして、マイクが「USB Audio Device」、品質が「最高」になっていることを確認します。
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録音開始・終了は、真ん中のボタンを使います。
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保存方法

録音を終了すると、次のような表示になります。

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QuickTime Player の[ファイル] -> [書き出す] -> [オーディオのみ]を選択して、ファイルを書き出すディレクトリとファイル名を指定すると、m4a ファイルが作成されます。

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作成されたオーディオファイルのサンプリングレートとビットレートを確認してみます。


iTunes のミュージックリストから情報を確認することができます。

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ファイル形式 AAC-LC(.m4a)
チャンネル 2ch (ステレオ)
ビットレート 256 kbps
サンプリングレート 48,000 kHz


でした。


Windows標準の「サウンドレコーダー」で録音すると、

ビットレート 96 kbps
サンプリングレート 44,100 kHz / 16 bit


になるらしいので、これよりはずっと音質はよいかと思われます。

まとめ

QuickTime Player は、Mac にデフォルトでインストールされているので、お手軽に使うことができますし、純正ということもあっていつの間にか不正終了しているという可能性も低そうです。しかも、なかなか高音質で録音することができます。


録音時間もきっとほぼ無限に長くすることができると思います(実績としては 3時間程度しか試せてませんが)。


 

おまけ

Windows でサンプリングレートとビットレートを確認するなら、「真空波動研SuperLite」というフリーのツールがあるようですが、正確な値が取れるかどうかは保証しないとのことです。


ちなみに、真空波動研SuperLite で上記と同じ .m4aファイルをチェックしてみたものが以下になります。


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年末年始に読んだ本 5冊(2015〜2016年)

今回は、2015年から2016年の年末年始にかけて読んだ本 5冊をまとめて紹介したいと思います。


人工知能は人間を超えるか


人工知能とディープラーニング(深層学習)に関する本です。

一年程前、ディープラーニング系の勉強会に参加したときに、(当時の私の勉強不足が原因で)あまりの知識ミスマッチに居ても立ってもいられなくなって、休憩時間にふと用事を思い出した体で(笑)そそくさと退散したことがあるのですが、それ以来、ディープラーニングがひとつのトラウマだったのです。

そんな苦手意識があったのですが、思い切ってこの本を読んでみて、頭の中のモヤモヤがかなりスッキリしました。人工知能やディープラーニング系にありがちな難解な要素を排除した初心者にぴったりなディープラーニングの入門書で、最後まで面白く読み切ることができました。


中でも特に興味を持ったのが「特徴量設計」に関するセクションです。人工知能を革新的に進化させたディープラーニングですが、特徴量を抽出するそのやり方が人間がものを記憶する際の脳の働きと非常に似ていると感じたのです。

<過去記事>
akiyoko.hatenablog.jp


でも書いたのですが、川上量生氏曰く、脳は情報量が多いものをそのまま記憶することができないという構造上の問題から、

よく物事の本質とはなにかと問いますが、物事を記号化して少ない情報量で表現したものがその正体でしょう。なぜ本質が必要かというと、脳は単純な情報しか扱えないからだと思います。

というのを思い出して、ハッとしました。これはまさにディープラーニングの手法ではないかと。特徴量を抽出するという点では、まさに人間の脳でも同じことを無意識的に行っているわけで、人工知能のテクノロジーが人間の進化の仕組みをなぞり始めている、というのを感じました。



あと、少し前に話題になった、オックスフォード大学の論文で発表された「あと10〜20年でなくなる職業」というのも本の中で紹介されていました。これは刺激的な内容でしたよね。

私は、「宝くじ販売人」「タクシー運転者」がリストで並んでいるのを見て、「粒度がバラバラやな」と思ったのですが、これ、あいうえお順だったんですね。

3時間で手に入れる最強の交渉力


弁護士の 荘司 雅彦 氏が執筆した、説得・交渉スキルの本です。会社の棚に入っていたので借りて読んでみました。荘司氏のことは FB で何度か見かけていたので、気になっていたのです。

前書きに、

本書は、どれだけゆっくり読んでも、3時間もあれば読了することができるはずです。

とあったのですが、全然3時間で読めませんでした。。

というのも、そもそも読むのが遅いというのもあるのですが、各章で取り上げているテーマの粒度と展開方法がバラバラで、読んでいて非常に読み進めにくい印象があったのです。

後書きを読んで、なるほどと思いました。

 執筆にあたって私が最も留意したことは、読者にとって即座に役立つ本に仕上げることでした。
(中略)
 その目的を達するために、本書にはたくさんの具体例を盛り込み、読者のみなさんの腑に落ちるよう詳細な解説を加えています。
 具体的かつ実践的な有用性を最優先としたため、書籍全体の統一性やバランスは多少犠牲にしています。そういう意味で、荒削りな印象は免れません。

これを前書きに書いていただければ、もう少し印象は違ったかもしれません。

確かにいろいろ有用な部分はありました。しかしながら、全体としての統一性がないので、なかなかストンと入ってこなかったのです。まさに「人は理屈で説得できても、感覚で納得しないと動いてくれない(P.136)」という状態でした。


以下、有用だと思った部分を引用。

  • 交渉ではまず、信頼関係、ラポールを築くことが大事
  • 信頼関係を築くステップは、第一印象(礼儀を尽くす)、聴き役に徹する、質問で相手の本音を探る
  • 交渉力とは問題解決力。問題の原因は理想と現実とのギャップ、問題解決はそのギャップを埋める作業
  • 問題点(ニーズ)、落とし所を見つける
  • 自分が上の立場の場合は、相手を追い詰めない、下の立場の意見を十分に聞く(責任はしっかり取る)
  • 下の立場の場合は、根拠を持った意見を述べる、上が決断したことには無条件に従う


 

秋元康の仕事学


大晦日のカウントダウン前に読み始めて、2時間ほどで読み終えた本です。
秋元康氏が NHKの番組向けに語ったトークセッションの語りおろし本で、企画に関する氏の考え方が書かれていました。

普段は企画の仕事をやっているわけではないのですが、氏の独特の考え方にはなるほどと思うところが多々ありました。

  • 企画のネタは日常の中にある。企画の入り口は気付くことから始まる
    • 「おや?」と思ったことに対して、心の中でどんどん付箋をつける
    • 日常からの気づきを企画のリュックサックにどんどん入れておき、必要なときに取り出す
    • 重要なのは、リュックサックに入れるときや取り出すときに、その素材に対してどれだけ想像力を働かせて拡大できるか
    • 他人の意見よりも、まず自分が面白いと思うかどうか。「自分が正解だ」と思うことが一番大切
  • 魅力的な人は「初めて」を作るのが上手。常に好奇心を持って暮らしている
    • 分かった気になってしまうのは非常にもったいない
    • どんな一日も無駄にしないという気持ちが大切
  • ヒットするのは「まだ見たことがないもの」
    • 予定調和を崩す。予定調和が裏切られたときに、人は面白いと感じる。自分が見たことがないものだから、ハッとする

などなど。


その中でも秋元氏の発想法が独特だなと思ったのは、「リサーチをしない」というところです。

目の前でヒットしているものは全て過去のもの(作られてからヒットするまでにディレイがある)なので、それを分析しても仕方がないとのことです。だから、「みんなと同じところに行かない」ように気をつけているというのです。

みんなと同じところに行かないためには、企画を絞る(尖らせる)のが重要とのこと。記憶に残る「幕の内弁当」は無い、つまり中庸なものではヒットは生み出せないということらしいです。分かりやすい例えで、しかも説得力があります。


また、予定調和を壊すという文脈の中で、

ですから、エンターテインメントの基本というのは、全体像を見えにくくすることなのだと思います。つまり、「見てみなければわからない」と思ってもらえるものを提供できるのが一番いいということになります。

と言っていたのですが、これも「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと (NHK出版新書)」の中に書かれている、「コンテンツの定義は『分かりそうで分からないもの』」という川上氏独自の解釈に通じるものがあるなと感じました。



あと本の中によく出てくるフレーズに、「人生に無駄なし」という一節がありました。

Wikipedia の略歴を読む限りでは順風満帆な人生を歩んできたようにも思えますが、30歳で結婚する前後に、確固としたバックグラウンドがないまま時代の寵児と持て囃されてしまった自分をふと顧みて「このまま行ったらどうなってしまうんだろう」という言い知れぬ不安に襲われ、ニューヨークで自分を見つめる期間を一年半ほど過ごしたと吐露していますが、振り返ってみればそれも無駄ではなかったと言います。

私の人生も回り道、寄り道ばかりですが、後で無駄ではなかったと思えるようにしたいものです。



「リーン・スタートアップ」と「未来に先回りする思考法」



未来に先回りする思考法」は、正月の深夜に放送していた「http://www.nhk.or.jp/jirenma/20160101.html」という討論番組を見たのがきっかけで読みました。番組に出演されていたメタップス社長の佐藤航陽氏の最新刊です。今年の一冊目はこれを読もうと思っていました。


その後たまたま、

daipon01.com

というブログに「未来に先回りする思考法」の書評が書いてあったのですが、このブログでこの本との対比として取り上げられていた「リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」という本が積ん読になっていたのを思い出し、二冊合わせて一気読みしました。


上記のブログから少し引用すると、

インターネットが普及し、グローバリゼーションが進展すると、
(中略)
どれだけ精密な事業計画を作ったところで、
商品をリリースするまでに環境が変わってしまうので、
これまでの計画が無意味なものになってしまうのです。


そこで流行ったのがリーンスタートアップという手法。


市場調査や事前計画は最小限。
とにかく短期間で最低限実用に足る商品をリリースしてしまい、
利用者の反応を検証して得られた結果をもとに、
当初の事業アイデアをひたすら修正・改善していきます。
目の前に起きている変化にひたすら適応していくスタイルです。


しかし佐藤さん曰く、これすらスピードが遅いとのこと。

(中略)

これから生き残る会社というのは、
来るべき未来を予測し、先回りして準備を整え、
適切なタイミングでサービスをリリースできる会社だそうです。

ということが書かれていました。

なるほど。
二冊をうまくまとめてあります。



まずはじめに、「リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」は 2012年に出版され、「リーン・スタートアップ」という言葉はスタートアップ *1 が成功するためのビジネス開発手法として、MVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)という言葉と共に当時一斉を風靡しました。

そもそも「リーン」な考え方とは、トヨタが開発した「リーン生産方式」をスタートアップの起業に適用したもので、価値を生み出す活動(顧客にメリットを提供するもの)と無駄とをはっきり区別するための具体的な施策を体系化したもので、画期的な新製品を早くリリースするための方法であると言っています。


また、「リーン・スタートアップ」とソフトウェア開発の現場でよく使われる「アジャイル開発」との違いとしては、アジャイルは開発自体に焦点があたるのに対して、リーン・スタートアップは持続可能な事業のマネジメント手法であって、特に仮説検証にフォーカスしています。



次に、「未来に先回りする思考法」です。

人は今目の前で起きていることからしか将来のことを予測することしかできないために未来を見誤るのだ、という痛烈な批判からスタートします。

インターネットというテクノロジーを得た今や、社会の変化するスピードは過去最も速くなり、さらにますます加速しる中、「計画通りに実行すればうまくいく」時代はもうすでに終わったと言い切ります。

そんな時代に合わせて、そもそも計画することを放棄し、社会の変化に対応して事業自体をも変化させる「リーン・スタートアップ」のいわば「地図を捨ててコンパスを持つ」という考え方が流行しましたが、リーン・スタートアップが持て囃されて数年が経ち、リーンなスタイルの起業で市場が激化してしまった現在では、「変化に対応」するだけのリーン・スタートアップではもう勝てなくなってきているとも佐藤氏は言っています。
つまり、社会の変化のパターンを見抜き、「変化に先回り」できるプレイヤーのみが生き残っている時代になってきているというのです。



佐藤氏は非常に論理的な人だと感じます。加えて、なぜそれができたのかという「原理」を常に考えている人だと思います。川上量生氏も、著書の中で進化論に言及したりしているところがあったのですが、それと似ている部分があると感じました。


また、「人生に無駄なし」という秋元康氏に対して、

私は、無駄な努力はないと思っていますが「報われない努力」は存在すると考えています。残念ながら、意味のないことはどれだけうまくできるようになっても意味はないのです。
物事は、惰性で進みがちです。「どうすれば現状のやり方を効率化できるか」と考える前に、「今も本当にそれをやる価値があるのか」を優先して考える癖をつけることをお勧めします。


大きなリターンを出すためには、適切な時に適切な場所にいることが重要です。人間ひとりの努力によってできることは非常に限られています。努力に頼るよりも、大きな流れに乗る方が、はるかに速く目的地に着くことができます。

という超論理的思考の佐藤氏との対比が、私の中ですごく面白かったです。

「テクノロジーは『天才』を量産可能にする」という佐藤氏の考え方も非常に論理的で、これも秋元氏の独自の天才理論とは一線を画すものだと感じました。

*1:本書では「とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織」を指すとされる。ベンチャー企業とスタートアップの違いについては、http://blog.btrax.com/jp/2013/04/22/startup-2/ も参照

iMovie の設定あれこれ

はじめに

Mac で動画編集をするなら、iMovie が手軽でよいと思います。

やり始めた当初は、読み込んだファイルの実体はどこにあるの?とかいろいろと謎な部分がありましたが、使っていくうちにだんだんと分かってきたので、ここらでメモを残しておこうと思います。


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初心者の方には、こんな本もありますよ。


 

外付けHDD を用意

HDD容量の少ない Mac で動画編集をするなら、外付けHDD がほぼ必須です。

私は、USB 3.0 対応のポータブルタイプの外付けHDD を購入しました。
容量は 2 TB もあれば十分でしょう。

東芝 ポータブルHDD 2.0TB ホワイト HD-AA20TW

東芝 ポータブルHDD 2.0TB ホワイト HD-AA20TW


外付けHDD のフォーマット

Windows でも Mac でもファイルを書き込み・読み込みできるように、「exFAT」でフォーマットします。加えて、exFAT でフォーマットすることで、1ファイルあたり最大 16GB までのファイルが認識できるようになります。


HDD をフォーマットするには、Launchpad から「ディスクユーティリティ」を起動します。

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現在のパーティション構成はこうなっていました。

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少しだけデータが入っていましたが、もろとも消去してしまいます。

ここで、フォーマットに「exFAT」を選択します。
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消去すると、フォーマット完了です。

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iMovie の設定

まずは、全体の設定から。

iMovie を起動したら、[iMovie] > [環境設定] を選択し、Theater の「コンテンツを iCloud に自動的にアップロード」のチェックを外しておきます。

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iMovie を起動すると、「ムービー」ディレクトリ直下に、「iMovie ライブラリ.imovielibrary」という名前のディレクトリが作成されますが、これが作業ディレクトリの実体となります。

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ここからいろんな専門用語が飛び交いはじめますが、作業ディレクトリである「ライブラリ」 には、メディアを読み込んでおくための「イベント」と、実際に動画の編集作業を行う「プロジェクト」を含めることができます。



先に書いたように、iMovie ライブラリはデフォルトでは Mac のローカルディレクトリに作成されますが、以降の手順で、外付けHDD にライブラリを新規作成し、それを参照させるようにします。

外部HDD にライブラリを新規作成

ライブラリを外部HDD に新規作成するには、[ファイル] > [ライブラリを開く] > [新規] を選択します。

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保存場所を外部HDD に指定して保存します。

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ライブラリが作成されると同時に、(作成日付で)新規イベントも作成されます。

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イベント名は、適当な名前に変えてしまっても OK です。

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次に、イベントにメディアを読み込んでみます。

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読み込まれたメディアの実体は、.imovielibrary ファイルを右クリックして「パッケージの内容を表示」を選択すると表示されます。

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新規プロジェクトを作成

動画編集するならここからが本番です。


新規プロジェクトを作成するには、「新規ムービー」を選択します。

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テーマを任意に選択します。「テーマなし」でも構いません。

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プロジェクト名を決定します。
ここでライブラリは、外部HDDに作成したものを指定します。

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「プロジェクトメディア」に、作成したプロジェクトがリストアップされました。

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.imovielibrary ファイルを右クリックすると、ライブラリにプロジェクトが入っていることがわかります。

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次に、ライブラリのイベントで読み込んでおいたクリップを使ってみます。
ダブルクリックでクリップ全体を選択することができ、「+」アイコンをクリックすると下のシーンに追加することができます。

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動画ファイルの書き出し

最後に、作成した動画ファイルを書き出します。

右上のアイコンをクリックし、「ファイル」を選択します。

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「Theater に追加」のチェックを外し、その他の項目は適宜調整して「次へ」をクリック。

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ファイル名と保存場所を設定して、「保存」をクリックすると、書き出しが始まります。

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左上のこのアイコンが消えたら、書き出し完了です。

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Open BroadCaster Software (OBS) で YouTube ライブストリーミングを使った動画配信をする方法

前回の続きで、ノートPC(Windows)と Webカメラと Open BroadCaster Software (OBS) で YouTube ライブストリーミング配信をする方法のメモです。

<過去記事>
akiyoko.hatenablog.jp



PCスペック

なお、今回は、ローカルに録画しながら同時に動画配信するということで、前回より少しスペックの良いPCを使っています。
と言っても、約4年前のノートPC。時の経つのは早いものですね。。

 

OBS バージョン

  • v0.657b - 32 bit


前回と同じく、Windos用の 32 bit 版を使っています。





OBS設定

まずは全体の設定。

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設定プロファイルを保存しておきます。

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ビットレートは「2500」くらいに設定しておきます。
この値は、画質を左右すると同時に負荷にも大きく影響を与えるらしいので、要調整です。

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参考




モードを「配信」、サービスを「YouTube」に変更します。
ストリームキーは今のところ空白で構いません。

「自動的に配信をファイルに保存」および「配信が停止した場合でも録画を続行」にチェックを入れます。

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フルHD 1080p 画質(1920 × 1080)、30 fps で撮影ができる Webカメラを使っているのですが、エンコードが高負荷になっているという警告が出るので、720p 画質の「1280 x 720」に設定しました。

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サウンドデバイスとして、USBマイクを設定。

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ホットキーの「プッシュツートークを使用」のチェックを外しておかないと、USBマイクからの入力が何故か検知されなくなってしまうので要注意です。

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現在のところ、YouTube配信の制限として、キーフレーム間隔を「4」秒に設定しなければいけません。

あと、サウンドの遅延も適宜設定しておきます(前回と同じ値)。

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残りの設定については、変更なしです。

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全体の設定は以上です。


次に、ビデオデバイスの設定です。


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ビデオデバイスが Webカメラ、サウンドデバイスが「無効にする」になっているか確認します。

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ビデオデバイスの設定は以上です。




 

YouTube ライブストリーミングの配信設定

YouTubeにログインして、「クリエイターツール」の画面に移動します。

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左のメニューで「ライブストリーミング」→「イベント」と辿り、「新しいライブイベント」をクリック。

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ここで、ストリーミング開始時間を現在日時よりも少し前の時間で設定するのがポイントです。

公開設定は、「限定公開」や「公開」など任意に選択できます。

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収益の設定も可能です。

設定が完了したら、「予定を作成」をクリックします。

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サムネイル画像を設定します。
この画像はライブストリーミング開始前のプレイヤーで表示されたりするので、なるべく設定しておいた方がよいかと思います。

取り込みの基本設定を、720p の設定に合わせて「1500 Kbps ~ 4000 Kpbs (720p)」に設定します。

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ここで表示される「ストリーム名」が、OBS の放送設定で入力する「ストリームキー」になります。

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これをコピーして、OBS の「ストリームキー」に設定して適用します。

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「配信開始」をクリックします。

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しばらくすると、YouTube のライブコントロール画面上で、ストリームの状態が「データがありません」から「良好」になるはずです。

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「プレビュー」ボタンが押せるようになるので、クリックします。
(「プレビュープレーヤーに同期」はチェックを外しておいても問題ないでしょう。)

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「ストリーミングを開始」をクリックして、ストリーミングを開始します。

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ストリーミングが開始されました。
「動画再生ページを表示」をクリックして、ライブストリーミングを確認します。

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この URL でライブストリーミングを見ることができます。

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ライブストリーミングの一時停止・再開、ローカル録画の停止・再開は、以下のボタンを使います。

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Open BroadCaster Software (OBS) の設定あれこれ

年に何回か、会社のノートPC と Webカメラと Open BroadCaster Software (OBS) を使って動画を撮影することがあるのですが、その設定を忘れがちなので自分用にメモ。


メインは録画用途で、アナログ RGB(VGA)ケーブルを使ってプロジェクタに同時上映もしています。


PCスペック

4〜5年前のノートPC ですが、当時はそこそこハイスペックでした。
最近買った Mac を使いたいところなのですが、Mac版の OBS にはマイク音声のタイミングずれを補正する機能が無いようなので、仕方なく Windows を使っています。


 

OBS バージョン

  • v0.657 - 32 bit


64 bit 版では利用できる機能に制限があるということで 32 bit 版を使っていますが、詳しいことは分かりません。


撮影機材

Webカメラはこちらの Logicool C920。
4K撮影はできませんが、フルHD 1080p画質(1920 × 1080) 毎秒30フレーム(fps)の動画撮影ができ、センサーは300万画素、光学レンズはカールツァイス社製、AF機能が付いています。

LOGICOOL HDプロ ウェブカム C920

LOGICOOL HDプロ ウェブカム C920

USBの延長ケーブルも購入しました。


カメラの雲台はこちらの自由雲台を購入。
しっかり固定できるのがうれしいです。

Velbon 自由雲台 QHD-21 アルミ製 471888

Velbon 自由雲台 QHD-21 アルミ製 471888



Webカメラを上部から固定して撮影するために、ショートブーム のマイクスタンドを使用しています。円形ベースアームの重さが 6 kg とだいぶしっかりしていて撮影にはとても良いのですが、持ち運びには多少難ありです。


アームと雲台のネジ径が合わないので、3/8インチ(太ネジ・アーム側)から 1/4インチ(細ネジ・雲台側)への変換アダプターを購入。これが無いと何気に困ります。



コンデンサータイプの全指向性高感度USBマイク。広い範囲まで音を拾ってくれます。

サンワサプライ WEB会議高感度USBマイク MM-MCUSB22

サンワサプライ WEB会議高感度USBマイク MM-MCUSB22

↑ に付属しているケーブル(USB Aオス ⇔ mini-Bオス)の長さが 1m と若干短いので、2m のものを買い足しました。

iBUFFALO USB2.0ケーブル (A to miniB) スリムタイプ ブラック 2m BSUAMNSM220BK

iBUFFALO USB2.0ケーブル (A to miniB) スリムタイプ ブラック 2m BSUAMNSM220BK



撮影機材ではないですが、プロジェクタに繋ぐための、アナログ RGB(VGA)ケーブルも必需品です。




最終的に、ノートPCにはこのように接続します。

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OBS設定

Webカメラは 1080/30p 画質に対応していますが、ノートPCのスペックがイマイチなのと諸般の理由(後述のプロジェクターの制限)で画質を落とした設定を行います。


まずは全体の設定。


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ローカルに保存するファイル名を変えておきます。

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Webカメラの性能としては、フルHD 1080p 画質(1920 × 1080)で撮影ができるのですが、出力するプロジェクターの制限で「640 x 360」に設定しています。

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サウンドデバイスとして、USBマイクを設定。

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マイク音声のタイミングが映像とずれてしまうのを補正するために、以下を設定します。
オフセットのミリ秒は、実際にテスト撮影しながら決定するしかありません。

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これで全体の設定は完了です。


次に、シーンにビデオデバイスを追加して、その設定をおこないます。

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テキストソースを 2つ追加して、位置を調整します。

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位置はおおよその場所しか指定できません。

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最後に、撮影時には、右クリックで「全画面プレビュー」を選択すれば OK です。

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